kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「<harmony/>」なかむらたかし/マイケル・アリアス

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SFアニメーション映画。ディストピアもののなかでネットの評判が高かったので観てみた。個人的な好みのディストピアものとは違う路線のディストピアものでした。文明が滅びた後の世界を描くディストピアものの作品が個人的に好きなのですが、こちらは高度文明ディストピアという類のもの。コンピュータによる人間管理社会とか新たなルールにより新しい倫理観に支配された世界とかそっち系のディストピア作品。好みとは別路線ですがSFものして楽しめました。あまり押し付けがましくないエンディングもわりと好みでした。結末がはっきりしていないのでエンターテインメント作品としては評価されないとも思いますが。キャラクターデザインはあまり好きではありませんでした。個人的にデフォルメされた絵柄が好きだからかもしれません。サイコパスとか攻殻機動隊とかそっちの雰囲気が好きだったらもしかしたら好きになるかもしれません。作画や演出に関しては光るものは感じませんでした。が、話の内容としては好みでした。観終わったあともいい気分。スッキリしないスッキリ感がよかったです。割とありがちなことですが、この手の作品を見たときに主人公と別の立場の方に共感してしまったりします。意識、とくに自我や自意識は、死の恐怖に始まり、憎悪、嫉妬、執着の源になると考えているので、どちらかというと敵の主張の方に魅力を感じてしまいました。

少し文章がグダグダになってしまいましたが、なんだかんだで割とおすすめできる作品でした。雑な文章申し訳ありません。

ハーモニー [DVD]

ハーモニー [DVD]

  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: DVD

「 SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT」NUMBER GIRL

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日本のオルタナロックバンドnumber girlの2ndアルバム。金属的な鋭角ロックサウンドと日本的な湿度をもった向井秀徳さんの声がさらに研ぎ澄まされた2ndアルバム。和風ピクシーズといった印象が強い1stアルバムから音色的な特徴は残しつつも大きく変化し、音はより太くより鋭く、楽曲はより個性的になっている。どのアルバムも個性が強いが、このアルバムは聴きやすさと尖り具合のバランスが非常に素晴らしい。ある程度キャッチーでありつつもしっかり尖っている実に素晴らしく爽やかに胸に迫る音源である。個人的には記憶と混じって懐かしい気分で泣きそうになる。

今回はリマスター音源のあとに各楽曲のライブ音源がある特別盤を聴きました。ライブ盤もすごくいい、ナンバーガールさん。

 

「一人交換日記2」永田カビ

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永田カビさんのエッセイ漫画。一人交換日記の続きであり、現実逃避してたらボロボロになった話の前の話。暗いところにいるからこそ希望の光が見えることもあるということを思い出させてくれる作品。爽やかに力強く示される希望の光にはリアリティを感じることができなかったり、抵抗を感じてしまったり、いいなと思っても自分とは無関係の遠いところにあるものだと思ってしまったり、そうなりがちな人もいると思います。いると思います、というより自分は割とそんな風に思えてしまうことがあります。いつもじゃないけど。本作から感じられる希望の光のようなものは自己投影してしまう何かがあるように思われます。暗いところでもがき苦しんでいる時に垣間見える光のようなもの。自分の話で恐縮ですが、精神疾患で苦しんでいる時、ふとしたことが強い希望の光に感じた経験があります。人から見ればすごく大したことない出来事なのですが、当時はリアリティをもって胸に染み込んでくるような感覚になりました。普段より人の優しさに敏感になったり、天候や自然に魅力を感じたり。大げさと思われるかもしれませんが、春がくる、というだけで、きっと全てがよくなる、きっと全てがいい方向に進む、という気持ちになったり、桜が咲いているのを見るだけで涙が出てきたり。現実はもっと救いがなくて残酷で不条理なもので、それを直視していくべきで目を背けてはいけない、と思っていますが、あの感覚は忘れたくないな、と忘れかけていた今思い出すことができました。カビさんの作品は苦しんでいる人にも、苦しんだことのある人にも、これから苦しむ人にも、そうでない人にも光となり得ると思います。ただの娯楽ではありません。もらってばかりでこちらから何もできない申し訳なさは感じますが、自分は音楽で自分のできること、やりたいことをやって、人に何か与えられたらなと思いました。あとは生活すべてが人々の希望になれるような生き方にできるようにしたいとも思いました。

本作は本編のあとにチカちゃんの憂鬱という短編作品が入っているのですが、これがまたすごくいい。まず設定がすごくいい。謎の組織、世間、実在しますよ。レジスタンスであるチカちゃんとのんちゃんもすごくいい。構図とかもいい。表現として。そして、エンディング、とてもいい。これまた希望なき希望のようなものを感じる。褒めると胡散臭くなってしまうけど、改めて言うと、設定、エンディングが特に好きでした。フィクションも面白いものが描けるんだなと驚きました。そして出来れば読みたい。すごく読んでみたい。短編集とか出してくれたらすごく嬉しいな、なんて思ってしまいます。もし出してもらえたら即購入しますね。

いろいろな私的要素が入りすぎてレビュー的なものとしてはダメダメですが、興味が湧いた方はぜひ一連の作品を読んでみてください。レズ風俗から現実逃避まで全部読むと魅力がさらにわかります。

「WAAAA!」gyari

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ボカロPのgyariさんのジャズセッション的な打ち込み音楽。一曲20分くらい。YouTubeのあなたへのおすすめで7拍子というサムネに釣られて見てみたらおもしろかった。遊びの音楽の楽しさみたいのが伝わってくる作品。あと、打ち込み音楽のポップな可能性も感じさせてくれる。ボーカロイド、ボイスロイドの新しい使い方、打ち込み音源の違和感は否定できないとしても十分なクオリティ、これまでのイメージを変えてくれました。あとは単純に音楽の遊びとしての側面を思い出させてくれた、というのが個人的には大きいかも。サブスクでも聴けますがYouTubeで動画付きで見たほうが、音の情報やキャラクターの動きも見れて面白い。セッションやりたいなと、久々に思いました。

WAAAA! (feat. 鏡音リン & 鏡音レン)

WAAAA! (feat. 鏡音リン & 鏡音レン)

  • GYARI(ココアシガレットP)
  • アニメ
  • ¥764

「VOO DOO?」ドミコ

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日本のツーピースロックバンド、ドミコのミニアルバム。頭の部分からトリッキーな音色で始まるミニアルバム。音色のみならず進化を感じるアルバム。大きな変化があるわけではないが所々に進化を感じる。ギターのリフがやはりいいなぁと思います。個人的な意見ですが、初めて聴いた楽曲、こんなのおかしくない?が最近のロックで久しぶりにガツンときた素晴らしい曲で、その衝撃はいまだ超えられていないかなとは思う。ドミコの楽曲に限らず最近知った日本のロックバンドの曲であれ以上の楽曲には出会えてないかも。とは、書いてしまってますがいいミニアルバムだと思います。しっかりとドミコのいいところが残りつつも前に進んでいる印象を受ける。リフはどの楽曲も秀逸。リフのかっこよさに関しては最近の日本で一番です、わたしの中では。

Voo Doo?

Voo Doo?

  • ドミコ
  • ロック
  • ¥1324

「30217」Ben Monder,Sean Conly,Thomas Devinko

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ニューヨークのジャズギタリストBen Monderが参加している音源。癖のある音使いはそこまでしていないのにBen Monderっぽい音がする。音作りだけじゃなくてタッチの感じとかでしょうか。ひっかかりが控えめな音源なのでBen Monderのグイグイした部分を聴きたいのであればちょっと違うかも。しかし、ハイクオリティで落ち着きもあるので、ベンモンダーのギターの雰囲気が好きで落ち着いたジャズが聴きたいと時にはおすすめの一枚です。片手間なせいかうまく魅力を伝えきれてませんが、ほんとにいい音源です。

30217

30217

  • Thomas DeVinko, Ben Monder & Sean Conly
  • クロスオーバー・ジャズ
  • ¥1222

 

「ウォールフラワー」スティーブン・チョボスキー

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原作者が監督をしているヒューマンドラマ。この映画もパンク感があってよかった。マイノリティ、トラウマ、人間関係、青春などが印象として浮かぶ作品。スミスやデビッドボウイ、ソニックユースやGALAXY500などが挿入歌として使われている。いい感じ。近頃、映画を見てもうまく言葉が出てこない。けどよかったですよ、ほんとに。

ウォールフラワー [DVD]

ウォールフラワー [DVD]

  • 発売日: 2019/12/03
  • メディア: DVD