kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「Selected Ambient Works Volume II」Aphex Twin

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イギリスのアーティストAphex Twinアンビエント音源第二弾。Aphex Twinのバキバキのエレクトロニカの音源もかっこいいけど自分はこれがめちゃくちゃ好き。ドゥームやブラックメタルな雰囲気寄りのダークアンビエントではなく、もう少し洗練された雰囲気のダークアンビエント。ダークアンビエントといっては語弊があるだろうか。ダークで洗練された雰囲気。リズムパートもあまりなく静かにずぶずぶ聴ける名盤。その名にふさわしい素晴らしいアンビエント音源です。普段アンビエントとかは聴かないバンドマンにもおすすめできる作品です。

「ファウスト」手塚治虫

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全一巻。手塚治虫さんのファウストファウストの原作は途中まで読んだけど雰囲気は原作より手塚治虫カラーが強い感じ。原作はなんだか読みづらく感じた。ブッダやその他手塚治虫作品に比べてあっさりした印象。ファウストともう一編作品が収録されているのだけど割とそちらの方が楽しめたかも。その時の気分もあるけど割とあっかりな印象でした。少し前に読んだので印象薄くなってるかも。

「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空の花束 シェイミ」湯山邦彦

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ポケモンアニメ映画。考えさせられるポケモン映画三部作として紹介されていた作品の2作品目。一作目同様、なんだか懐かしい気分を楽しめた。特別な何かは感じられなかったけどいい時間を過ごすことができた。この感覚は何に基づくものだろうか。意図されたものだろうか。こちら側から発せられたものを自分で感じとっているのだろうか。そもそも自分のこの感覚も曖昧にしか感じ取れていない。いずれにせよ、しっかりとしたクオリティで作られていると思われる。嫌な感じもなく、嗤わせる要素も少ない。そのおかげでノスタルジーに浸れるのかもしれない。三部作あるので三作みることでこの感覚をある程度説明できるようになりたい。

「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ディアルガVSパルキアVSダークライ」湯山邦彦

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ポケモンアニメ映画。考えさせられるポケモンアニメ三部作という触れ込みで見てみた。ポケモンのデザインすごく好き。内容は落ち着いた内容だった。良くも悪くも衝撃はあまりなかった。ほんとに落ち着いて観れる内容。ノスタルジーを刺激する雰囲気。ミュウツーの逆襲くらいのものを求めると物足りなくも感じるがそれは求めすぎな気もする。こういうと不満な風にも見えるかもしれないがそうではなく優しい満足感はある。ふと見たくなる瞬間があるポケモンアニメ。昔より今の方が幸せなので子供に戻りたい気持ちはないのだけど懐かしさのような何かで見たくなる。たまに尖っていない優しい世界みたいなのが見たくなるのかもしれない。ポケモンアニメが尖ってないと言えるかはわからないけど。

「ちひろ」安田弘之

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上下巻。紺野さんで遊ぼうの安田弘之さんの作品。何にもとらわれない飄々とした生き方の風俗嬢ちひろの物語。背景はあるが泰然自若なちひろの立ち振る舞いが非常に勉強になる作品。修行僧とは遠いところにある職業のように思えるがこのキャラクターは浄土真宗の向かうべき境地に少し近いものがある。何にもとらわれず風のように猫のように生きるしなやかな強さ。自分には全然ないので参考にしてなるべく執着の炎を鎮めるような生き方をしたい。

「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」飲茶

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格闘漫画バキの要素を取り入れた哲学の入門書の第二弾。今回は東洋思想を扱ったもの。前回同様、哲学者にバキ的なキャラ付けをしわかりやすく楽しく哲学を学べる素晴らしい著作。個人的には西洋編より驚きが大きかった。あまりの素晴らしさに。

本書は説明が難しい東洋哲学をわかりやすく説明しているのだが、重要なのは細かい人物の紹介ではなく東洋哲学のエッセンスというか大事な部分というかそういう部分を感じさせてくれるところ。これまでの入門書では各人がどのような思想を持っていたかをざっと把握できるという雰囲気だったが本書はそこはある程度押さえながらもさらに大事な部分を教えてくれる。

まず、東洋哲学というのが内向きにどんどん潜っていくものであるということ。雑な言い方をすれば、自分とは何か?自分はどうすべきか?という方向性の問いを突き詰めていくというもの。西洋哲学は実存主義のあたりまでは基本的には自分を起点に世界や社会、外向きに広がっていくようなものが多かった。それに対して東洋哲学は自分とは?自分の捉えてる世界とは?と、自分の内面に向き合うことで世界と向き合うようなものが多い。言われてみれば当たり前のことだがそれに言及している入門書は見たことがなかった。あったのかもしれないが、それはまえがきやコラムといった添え物程度の扱いであった。しかし、このことが実に大事であるということに気付かせてくれた本書は自分にとってすごくありがたいものだった。

そして、もう一つの点として東洋哲学においては体験が重要であるということ。理解、理屈だけでは本当に知ったということにはならないということ。これも当たり前のことであるが重要なことである。本書においては耳フェチの例を出して大変わかりやすく説明している。耳フェチでない人間から理解しやすい形で述べられているので非常にわかりやすいが安直にしか捉えられない人間からすれば他人事のように捉えられてしまう部分もあるので、この耳の部分を自分の性的嗜好に当てはめて考えると悟っている側、悟っていない側の感覚がなんとなくわかるのでどちらも試してみてもらいたい。逆に耳フェチの方は耳以外のよくある感覚的に理解できない性的嗜好を当てはめてみていただきたい。あまりよくないかもしれないがわかりやすい具体例をあげてみよう。例えば女性の胸をみた時、あれはただの脂肪の塊であって何物でもないと発言するとする。一人は頭でそれが間違っていないことを完全に理解しつつもギンギンに勃起しており、もう一人は触っても何も感じず余裕の表情でもちろん勃起などしていない。同じ理解している状態であってもそれは天と地の違いである。前者は理解しているが理解していないと言える。性的興奮だけでなく知識全般においてこのことは当てはまる。例えば幽霊の存在。存在するかどうかは置いておいて、おばけなんかいるわけないじゃん、と言いかつそれを本当に信じていたとしても心霊スポットにおいて脚が震えるという人もいるだろう。感情的になっても仕方がないし、良いことなど何一つないと常日頃思っていても何かあった時ブチギレて怒鳴り散らしてしまう人もいるだろう。このような日常的なものでけではなく思想の領域においても同じことがいえる。諸行無常、この世に変わらないものなどないし、自分もまた固定された不変の存在ではないと思っていても、さも自分がずっと存在するように利己的な振る舞いをしてしまったり。倫理的にすべきではないと理解していても嘘をついたりしてしまったり。いろいろ例をあげたが、このような形で本質的な部分をわかりやすく伝えてくれる本はこれまでなかった。

これらのように重要な部分を押さえつつ、他の入門書同様、各人がどのような思想をもっていたのかという大きな流れも理解できる実に素晴らしい本であった。ここにあげただけでなく東洋思想史の流れや各思想のつながりもわかりやすく、しかも楽しく学べる素敵な本。前作以上に感動の多い本であった。誰かに入門書を薦めるなら「史上最強の哲学入門」の西洋と東洋、必ず2冊セットで薦めたいと思う。

「METTA, BENEVOLENCE BBC 6MUSIC」Sunn O)))

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アメリカのドゥームドローンユニットSunn O)))のライブ音源。スタジオ盤とアレンジやサウンドの雰囲気が少し違い、そこがすごくいい。ライブ音源になっても必要な部分は損なわれずスタジオ音源とは違う魅力もある。本当に素晴らしい。音もアレンジもライブを見るような感覚というライブ盤にありがちな雰囲気ではなくサウンドの傾向が違う別の作品という感じ。リラックスしたい時は基本的にライブ盤はあまり好きじゃないのだけどこれはすごく適している。重低音がしっかり聴ける再生環境でリラックスしながら聴くのがおすすめ。入眠、作業中にも適しているかも。素晴らしい。