西田幾多郎の流れを汲む哲学者、三木清の著作。一般の哲学に興味がある人が入門書として読むには適さない。哲学といえど学問である以上、基礎知識や訓練が必要である、という著者の考えが出ている。このタイトルは現代の日本においては哲学を難解なものとして捉えられる原因になるのではと個人的には思う。ある程度基礎的な知識と西田哲学の大きな枠を知っていないと理解できないと思われる。哲学をある程度知っている人が基礎的な問題について立ち返って考えるための著作だと思われる。哲学を大学で6年間学んだけどダメ学生だった私には理解するのが難しかった。哲学を全く知らない人はもっと理解できないと思われる。哲学用語が何の説明もなく出てくるのでかなり時間がかかる。いろいろ読んだ上で立ち返って西田哲学の大枠を捉えるためには非常にいい本。自分もいらいろ読んだ上でまた改めて読みたい。三木清であれば、まず「読書と人生」で本の読み方を学び名著を知り、哲学の入り口として「人生論ノート」を読み、いろいろ哲学を学んだ上で哲学入門を読むのがいいと個人的には思います。
- 作者: 三木清
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/05/20
- メディア: 新書
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