臨済宗の祖、臨済の言葉や行いを弟子の慧然が書き記したとされる書。非常に難解。衆示の項目はなんとなくわかることもあるが、だいたいがよくわからんなーとなる。しかも、笑ってしまうような話が多い。教科書等で持っていた印象と違い臨済はかなり荒々しい御仁だったと思わされる。口が悪く暴力的、といっても、ひどい暴力を振るうわけではないのだけど、なかなかに荒々しい。そして個人的にそれが面白いし好感が持てる。カチカチに乾燥したクソだ!みたいな秀逸なフレーズも生み出している。
しかし、主張していることは非常に魅力的であり芯が通っている印象。
大まかに感じ取ったことといえば、外に求めず無為であれ、ということである。知っている方からすれば何を言っているのだ、となるかもしれませんが自分は臨済録からそれを学びました。権威や言葉に縋ることなく、何にも依存しない、自らの足で立つ。そのことの大切さを感じました。思考で求めれば求めるほど遠ざかっていく、それに気付くべきだと思いました。
とはいえ、何が自然な状態であるかなどいろいろな部分で熟考する必要はあります。
もっといろいろ気がついた上で読むと違って受け取れるでしょう。
今はただただあまりのシュールさに笑っているだけですが。
有用でありシュールな面白さもある。
禅に興味がある方、シュールな話が好きな方、本当におすすめです!
- 作者: 入矢義高
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