kazki//okadaの備忘録

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「方法序説」デカルト

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フランスの哲学者、デカルトの著作。我思うゆえに我あり、の文言が有名。この著作は思考の結果ではなく思考の経路を学ぶための名著。どういう考えに至ったかではなくどういう風に考えるかの参考になる。そして、これはただの哲学書ではなくノンフィクションの人間ドラマでもある。考え方が古いなーなんてことも感じたりする部分はあるが、デカルトという人間の言葉をそこに感じることができる。デカルトの熱意や心意気が文字から感じられるのである。知識を過去から受け継ぎ未来へとつなぐ、デカルトのその意思が胸を熱くする。我思うゆえに我あり、という第一原理よりも大切なものを感じる。自分は頭が悪いので大した理解はできないが、生きることに真摯に向き合うことの重要性、そして自分もその闘いの一兵士であるという気持ちになれる名著。教えられた答えをただ受け入れるのではなく自らの思考によってたどり着くことの重要性も教えてもらった。そして歴史上の人物としか捉えていなかったデカルトが我々と同じ人間であり同じように悩み考えて生きていたということを感じることができてとても嬉しい。

方法序説 (岩波文庫)

方法序説 (岩波文庫)