哲学博士、中島義道氏の愛についてのエッセイ。エッセイというと若干の違和感があるほど論理的に構成されているが、思想書というとそれはそれで違和感がある。中島氏のエッセイは本作に限らず、そういった印象がある。本作もこれまでの作品同様、凝り固まった常識を打ち壊し、己を見直す機会を与えてくれる素晴らしい文章である。そのテーマが今回は愛、というものです。読むたびに思うことですが、本当に真摯に世界や自分に向き合っているな、と感じます。常に自分や他人、社会に懐疑的であり、自己欺瞞や麻痺に陥らないよう気をつけたいと思いました。
ひとを愛することができない マイナスのナルシスの告白 (角川文庫)
- 作者: 中島義道
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2007/02/23
- メディア: 文庫
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