kazki//okadaの備忘録

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「正直じゃいけん」町田康

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町田康さんのエッセイ集。憂き世を常識や世間に捉われず、ありのまま町田節で描写するいつもの町田康さんのエッセイ、おそらく他の方の著作のあとがきであろう文章を集めたもの、大阪についてかたったこと、大きく分けてこの3つにわかれたエッセイ集。町田康さんのエッセイで入り口としてもよいなと思う本。自分のような、社会でうまくやっていけない、かといって芸術家として生きていくこともできない、そんな宙ぶらりんのメンヘラへなくそ野郎にとってなぜか救いを感じる言葉の数々。特に自分はいろいろなことが気になる性分なので、感じているけど言葉にできないこと、そもそも言語化できていないことが、ユーモアを伴った形でそこにあることがとても嬉しい。町田康さんは小説もエッセイも本当におすすめ。気になる方は、小説なら短編集、エッセイなら猫エッセイをまず読んでみるのはいかがでしょう?猫様に関わるエッセイは本当に必読書だと思っていて、笑えるし泣けるし考えさせられる最高の随筆だと思います。活字苦手な方は、映画「けものがれ、俺らの猿と」をみると町田康の世界を少し感じることができるかもしれません。

正直じゃいけん (ハルキ文庫)

正直じゃいけん (ハルキ文庫)