川口由一さんの自然農の概要と作業についての本。
第一章は、川口さんの
・耕さない
・農薬、肥料を持ち込まない
・草や虫を敵にしない
の自然農三原則についての説明があり、その次に川口さんが開いた農業塾についてとよくある質問に答えるという内容がくる。
第二章においては、自然農で使う鋸鎌、鍬、スコップという3つの道具について、畝作りや種蒔についての説明がある。
第三章で各作物の具体的な作業手順を説明する。
第四章では、川口さんが今の農法に至った経緯が書かれている。
全ての章が興味深いものであったが個人的に一番感銘を受けたのは第四章である。死をしっかり見つめること、直観的な嫌悪感から目を背けないこと、周囲の常識に飲み込まれないこと、自分の意見を押し付けないと同時に自分の信念を曲げないこと、これらの大事さを改めて感じることができた。文に書いてあることからしかわからないが、川口さんがたどってきた道は過酷であり簡単に真似できるものではないがある種の希望を与えてくれる。
この本を読んで、川口由一さんに対する興味が深まった。そして、メソッドを学ぶのではなく、生き方を学ぶべきだと感じた。先人が辿った道をなぞるだけでは前へは進めない。先人が辿った道を知ったうえで自分で道を作っていかなくてはいけないと思った。
すぐれた先人の思考や思想を知ることで、自分も自分の道を作っていきたい。