kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「別のしかたで ツイッター哲学」千葉雅也

f:id:kazki_okada:20200303083811j:image

哲学博士千葉雅也さんの著作。千葉さんがTwitterに投稿したツイートをタイトルをつけ並べ直したもの。たわいのないようなツイートから、なるほどと思わせるツイート、しっかりとした内容のツイートまで様々なものが、読む側からすれば見えない法則にのっとって並べられている。新しいリズムに沿って並べられているようです。読んでいてひっかかりなく読めましたが、自分には法則性や統一のようなものを感じることは出来ずでした。最初の部分を読んで、こんな感じかー、と思う人も少なくないかとは思います。しかし、自分が強く主張したいのは、あとがきまで読むべきである、ということです。あとがきこそが本編、といってしまっては失礼ですが、それぐらい重要。あとがきを読まずして、この本を読んだとは言えません。あとがきにおいて、非意味的な有限性についての哲学を試みるもの、と書かれておりましたが、あとがきの前段、つまり本文は実践のようなものであり、あとがきを読んで初めて、そういうことか、となる人も多いのではないでしょうか?正直、ツイート群をみただけで、ああ、これは非意味的な有限性についての文章だ、などと思う人はいないのではないでしょうか?あとがきを読むことで、この本はそういうことだったのかと、自分はなりましたし、改めて本文を読んでみたいと思いました。述べられているのはものごとの輪郭について。輪郭の仮固定。輪郭を固定しすぎていることや輪郭への強い執着、それを意識するということを考えさせられました。この著作を血肉にすることはできてませんが、新しい目線を得ることができそうな、そんな気がしました。読んでいる途中はこんな感じかーとなってしまいましたが読み終わったとき、すごいなと、読んでよかったと本当に思いました。あと、新鮮な感覚も。あとは凝り固まった頭をほぐされた気分です。ありがたい。

別のしかたで:ツイッター哲学

別のしかたで:ツイッター哲学