kazki//okadaの備忘録

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「Strukturo」Tia Rungray

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日本のアンビエントアーティストTia Rungrayの新譜。新譜といってもしばらく前。ずっとコンスタントに聴いていたためレビューが遅れてしまった。本作も非常にTia Rungrayらしい作品といえる。ダークな雰囲気、美しいピアノ、感情の抑揚がある展開、そして、壁のような音。ピアノ中心であることは変わらないが今作はより表現の幅が広がっている気がする。Tia Rungrayらしさを損なうことなく、よりわかりやすく景色が広がるような作品。サウンドトラックのような親しみやすさがある。最後のトラックであるタイトル曲は最後にその親しみやすさから一気に深みへと沈み込ませてくれる名曲。これを聴きながら歩いているとディストピア的な世界が目の前に広がるような錯覚を起こす。所謂厨二病である私には本当に心地よい世界。なんとなく昔行ったことのあるスコットランドの風景を思い出させる何かがある。あと行ったことないけどアイルランド的などこか。どのようなシチュエーションで聴いても素晴らしい作品ではあるが、個人的には曇天の夕方、歩きながら聴いてみてほしい。世俗のあれこれを些事と捉え直せるかもしれないので。