kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「Spirit of the Mountains」Federico Casagrande Trio

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イタリア出身のジャズギタリストFederico Casagrandeのトリオ音源。やはりジャズはギター、ベース、ドラムのトリオが好き。ベン・モンダーにもつながる音の柔らかさと不穏だけどわかりやすすぎない音運び、適度な聴きやすさ、音色もプレイもすごく好きです。きっとビル・フリゼールあたりの影響もあるのかも。久しぶりに好きなタイプのジャズギタリスト見つけました。悪い言い方すればベン・モンダーのflux聴いた時の衝撃やlage lundのterrible animals聴いた時のハマり感はないかも。しかし、近いものであれば先に聴いた方がガツンとくるるのは当たり前。かなり気になる存在なのでFederico Casagrandeさんの音源、いろいろ聴いてみたいとおもいます!

 Federico Casagrande Trio

 

  • ジャズ

 

 

「狭い世界のアイデンティティー」押切蓮介

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全5巻。押切蓮介先生の漫画バトル漫画!なんのこっちゃと思うかもしれないが漫画についてのあれこれをバトル漫画という形で描いた衝撃作。ものすごく雑に誰にでもわかるようにいえばドラゴンボールのようなバクマンといったところでしょうか。近頃の押切先生はクレイジーさに磨きがかかっています。そしてクレイジーに振り切れるわけではなく、その中にしっかりとした中身、重み、説得力を宿しているのが凄まじい。ミスミソウ、サユリあたりの美しくも凄みのある作品がめちゃくちゃ好きですが、最近の押切作品も全く引けをとらないすごさ。

本作はその中でも漫画に関するエッセイ的な要素ももっており、知識や意見、愛までも知ることができる作品です。紙媒体、web、持ち込み、パーティー、漫画家同士の関係などコミカルに荒々しく、デフォルメの中にちらつくリアリティを伴って描かれている。他の実在する漫画家さんが出るのもファンとして楽しめる。本作のレビューとは関係ないがハイスコアガールの続編、サブヒロイン的なポジションだった日高が主人公なことに歓喜した人は多いのではないかと思います。蛇足だけどどうしても言いたかった。

「ちくちくぴろんぴろん」せきの

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シュールギャグ4コマ漫画家せきのさんの新作。新作と言ってもこれまで描いてきたものを集めた作品だった気がする。相変わらずのテイスト。ふふっとつい笑ってしまうくだらなさの極地。くだらなさも突き抜けるとものすごい強度を持つ作品になる。流行したポプテピピックに通ずるものはあるけど、こちらはさらにストイックにくだらないしキャラクターのキュートさもないので突き詰めたくだらなさが楽しめる。じわじわくるくだらなさが最高。くだらないってくだらなくない!

「光の中に」踊ってばかりの国

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日本のロックバンド踊ってばかりの国のアルバム。一曲目のghostのライブ映像がとてもよかったので聴いてみた音源。ライブ映像の方がエモーショナルな雰囲気強かったけど音源もよかった。heavenという曲もよかった。渋めの日本語ロックの雰囲気とシューゲイザーの雰囲気にかすかにジャパニーズパンクロックの気配が隠れていて実にいい。初期の頃は小洒落た若い才能あるバンドというイメージだったけど、flowerというミニアルバムから印象が一気に変わって渋さとエモーショナルさが同居する熱いバンドという認識になった。最近改めて聴いてより熱くなっているなとますます興味が湧いた。歌の良さ、雰囲気の良さ、アレンジの良さ。とてもいいと思う。

「Vanishing Sun」Torr

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オルタナティヴロックバンドTorrのEP盤。ギャリンギャリンの斬撃のようなギターが聴きたければTorrを聴くしかない!ストイックでエモーショナルな楽曲やしっかり交通整理されたアンサンブルなどTorrの魅力はいろいろある。だがやはりどうしてもギターのキレ味に耳が入ってしまう自分がいることは否定しきれない。キレキレのリフも暴れながらも鋭さを失わないソロもとにかく脳に働きかけるギャリンギャリンがたまらない。本当にIQの低い中身のないレビューになってしまうがギャリンギャリンがたまらないのである。木のギターで作ったギャリンギャリンの音とはやはり違う気がする。本作がどのギターで作られたものかわからないが非常に金属的な響きがある。やはりアルミネックだろうか。前EPと比べて鋭さを保ちながらも太さが増したように思われる。同じ日本刀でも頭と重みが増したような感覚。音源の長さも多様性もボリュームアップしていて純粋に嬉しい。

「観測」花譜

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このような言い方が正しいかはわからないけどVtuberのようなアバターで活動する女性シンガー花譜のファーストアルバム。活動スタイルに対する賛否はあるかと思われるが声がとてもいいなと思った。ちなみに自分は生まれついた外見にとらわれることなく選んだ(もしくは誰かが選んだ)姿で活動できるようになったことはとてもいいと思う。知るきっかけはNetflixか何かの現代アートを紹介する番組のナレーションをやっていたこと。ナレーションの声がとてもいいなと思っていたら何かのきっかけでシンガーであることを知ったので聴いてみた。

ナレーションの声と同じく歌う声もよかった。ブレスが強めの不安定な揺らぎのある声なのだけどすごくいいなと思った。細めの呼吸を伴う歌声が楽曲の雰囲気ともあっている。良くも悪くも多少のあざとさがあるのだが、それの方向がネット文化、アート感、サブカル感など多方向にいいバランスを取っているように感じる。最近ポップ寄りの歌を聴いていなかったかもしれないけど歌の感じもよかった。リミックスアルバムも出てるので聴いてみようと思う。

 

観測

観測

  • 花譜
  • J-Pop
  • ¥2241

「劇場版ポケットモンスター ココ」矢嶋哲生

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ポケットモンスターのアニメ映画。割と最近の作品。これは今の子供ではなくポケモンアニメを見て育った30代をターゲットに作られた作品のように思える。作品の主題であろう親子、社会、他者との関わりなどが非常にわかりやすい形でて提示されている。わかりやすくグッとくるこさせる感じ。個人的には好きだけど本当に芸術寄りのものが好きな人には押し付けがましく感じられらるかも。自分はわかりやすく何が言いたいかを描いている作品が好きだし、自分も表現をする際、手法に関しては偶然性を大事にしているが、意図に関してはわかりやすく解釈の幅を狭めるやり方をとっている。しかし純粋に芸術としての価値を高めるには個人的には(また一般論としてもこういう意見は多い)解釈の余地があるほうが深みは増すもののように思える。本作はそういう意味ではキャラクターの台詞に言いたいことをわかりやすくのせる形の所謂わかりやすい表現になっているように思える。実際どうかはわからない。しかし、そう誤解されてもおかしくないような部分はあると思う。

ここでいうわかりやすさは最近よくある安心して泣けるような、感動ポルノ的な薄い作品と同じものではないということはわかってほしい。メッセージの内容も嫌いじゃないし表現の仕方もきらいじゃないし、作品も楽しめた。ただ解釈の余地や考えさせられる要素、余白や空白が控えめのように感じられたという点においてわかりやすかった。

深みという部分においては、問いかけや作者自身が何が言いたいのかわからないけど奥から滲み出てくる何かとかそういうものから生じるような気がする。その点、この作品はちゃんと制作側のコントロール内にありそうな、言いたいことがちゃんとあってそれをある程度綺麗な形で提示できているような気がする。

個人的にそれは素晴らしいことだし、自分もそれをやりたいと思う。ただ深み、芸術、そういったものに近づきたいのなら、コントロールの外に出たもの、内角低めを丁寧に攻めるピッチングではなく全力で投げるナックルボールのようなやり方こそ必要なのではないかと自分にはそう思える。

深み、芸術性が必要なものかどうかはわからないが。(個人的には好きだけど)

いろいろ書いたけど最近見たポケモン映画数作品の中では一番楽しかったかも。

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