kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「Live At 55Bar」Ben Monder,Tony Malaby,Tom Rainey

CD

ニューヨークのジャズギタリストBen Monderら三名によるトリオセッション音源。ギター、サックス、ドラムという変則トリオ。コンテンポラリージャズというかフリージャズというかもはやエクスペリメンタルに近いかもと言いたくなるぐらい尖った音源。めちゃ…

「史上最強の哲学入門」飲茶

格闘少年漫画バキの成分を取り入れて書かれた哲学の入門書。YouTubeで岡田斗司夫さんがすすめていたので購入し読んでみた。 確かにこれまで読んだいくつかの哲学入門書と大きく異なるものであった。書いてある内容や深さなどが異なるわけではなく入門書とし…

「Ender Lilies」Binary Haze Interactive

ダークファンタジーメトロヴァニアのアクションゲーム。ゴリゴリのダークファンタジー。崩壊した世界で謎を解き穢れを浄化すべく少女が黒衣の騎士と共に旅をする。ボスや中ボスの穢者というゾンビ的な存在を倒し浄化するとそのものの力を得ることができる。…

「夜さんぽ」木村いこ

全一巻。体調を崩した作者の夜の散歩を描いたエッセイ。不安障害を抱える作者の目に映る夜の街の美しさが素晴らしい。デフォルメ強めのかわいい絵柄と鉛筆の柔らかなタッチのマッチングもいい。自分が不安障害で苦しんでいた時に見た風景と重なるものがあっ…

「fake pleasure syndrome」Muscle Soul

CD

名古屋のオルタナティヴロックバンドMuscle Soulの新譜。新譜といってもちょっと前。しばらく聴いてからレビューするので毎回タイムラグがある。 Muscle Soulはどんどん進化する。どんどん洗練されていく。楽曲クオリティの高さ、音源の音の良さ、演奏技術の…

「ムタフカズ」ギョーム・RUN・ルナール、西見祥太郎

日仏合作のアニメーション映画。鉄コン筋クリートなどを制作したスタジオ4℃の制作。原作がフランス側のためかヨーロッパ的なスタイリッシュさが感じられる。雰囲気としてパンクやヒップホップの雰囲気が濃く感じられる近未来ではないSFもの。スラムっぽい雰…

「血を嫌い肉を好む」ドミコ

CD

日本の2ピースロックバンド、ドミコの少し前にリリースされたアルバム。前作のepの流れを汲んだ作品。相変わらずサウンドも楽曲もかっこいい。良くも悪くも基本的に大きく変わるところはあまりないかもしれない。これまでのドミコがとても好きだったら、とて…

「死んで生き返りましたれぽ」村上竹尾

追い詰められた末、不摂生がたたり一度心肺停止するも一命を取り留めた作者の自伝的エッセイ漫画。 内容は極めて重いが希望の光に溢れている。自分がが考える真の希望に近い形。一度闇を知った故に見える微かな光は明るい日差しの中の光とは比べ物にならない…

「きつねのはなし」森見登美彦

夜は短し歩けよ乙女、四畳半神話体系などで有名な森見登美彦さんの小説。表題作のほか三篇が入っている。それぞれ独立しているが共通の設定が所々見受けられゆるく繋がっている感じ。森見作品は愉快な作品が多い印象があったがこちらは仄暗い。かなり仄暗い…

「A Shadow in Time」William Basinski

CD

現代音楽家William Basinskiの音源。アンビエント色の強いネオクラシカルという感じですがミニマル感が強い作品。他にもこのような音源あるけど本作もWilliamBasinskiさんのそのパターンの作品。個人的には何種類聴いても心地いいし旋律が違うのでパターンが…

「宇宙猫」猫わずらい

CD

YouTubeで猫の声にエコーをかけた動画で話題になった猫わずらいさんの音源。声の主の猫、チョコさんがとてもかわいい。ポップなインスト、と言いたいところだが、ボーカルとして猫の声が入っている。ギターが音源の中心にあり場を支配している。音色は少々ラ…

「Squint」Julian Lage

CD

ニューヨーク系のジャズギタリストJulian Lageの新譜。ギター、ベース、ドラムがしっかり聴こえるシンプルな音源。しっかりジャズではあるが割とロックっぽいテイストが感じられる。ギタープレイや音色かもしれない。明るさ、陽の感じがロックっぽさを感じさ…

「Crumbling」空中泥棒

CD

韓国の宅録アーティスト空中泥棒の音源。浮遊系の歌ものエレクトロという感じ。非常に素晴らしい。うたはとても美しい、言語は自分には聴き取れなかった。歌も楽器のように機能している印象。楽器に縛られず、すごくいいものを作っていて素晴らしいと思う。…

「汽車が田舎を通るそのとき」高田渡

CD

フォークシンガー高田渡さんの音源。ラジオっぽいやりとりも入った音源。いい曲がたくさん収録されているシンプルなフォークソングの音源。音楽的なひねりはあまり感じられないが強い存在意義を感じる。メッセージとしての音楽。言葉を伝えるフォーマットと…

「BLAME!」瀬下寛之

漫画原作の3Dアニメ映画。ディストピア系のSF作品。設定や内容は王道のディストピアSF。機械に主導権を奪われた人類がなんとか生き延びようと奮闘する物語。特に珍しい設定、内容ではないけど、このような作品を見るたびアナログ的なものの重要性を感じさせ…

「ペリリュー」武田一義

全11巻。太平洋戦争ペリリュー島の戦いについて描いた作品。絵柄はとてもかわいいが内容はしっかりとした戦争漫画。ギャップがあるからより凄まじさが出てるのか、この絵柄だから何とか読めるのか。登場人物がよく死ぬ作品は近年多くあるけどキャラクターの…

「Pass The Distance」Simon Finn

CD

アシッドフォークの名盤として紹介されていた音源。Apple Musicのジャンルだとオルタナティブフォークになっているがそんな感じ。基本的にフォークの質感なのだけどオルタナっぽい雰囲気が支配している。アコースティックギター中心ではあるけど弾き語りでは…

「NEW GAME」得能正太郎

全13巻。発売当時に家人がジャケ買いしたのがきっかけで知った作品。 表紙を見て絵はかわいいけど中身スカスカの萌え作品なんだろうなと思っていた。しかし全然違った。全然違うというのもまた違うかもしれない。魔法少女まどかマギカのように実は陰鬱な作品…

「Harmony in Ultraviolet」Tim Hecker

CD

アンビエントアーティストTim Heckerさんの音源。エレキギターのかっこいい部分ががっつり活かされている作品。アンビエントに馴染みがない人でもポストロックやオルタナっぽさがあり入りやすいかも。音がとにかくかっこいい。浮遊感よりもかっこよさが前に…

「Hide the Moon and the Stars」Lage Lund,Bryn Roberts

CD

ジャズギタリストLage LundとピアニストBryn Robertsのデュオ作品。ジャケットのデザインと親和性がある夜を感じさせる落ち着いた作品。非常に素晴らしい。ドラム、ベースがいないことでゆっくりと落ち着いた雰囲気になっている。音の使い方も明るすぎず暗く…

「A GOHST STORY」デヴィッド・ロウリー

死んだ男が幽霊となり、世界に留まり眺め続ける映画。近年稀に見る好みの映画だった。布を被った幽霊という一見コミカルにも思える描写ではあるが内容はシリアスなヒューマンドラマという印象。ホラーではない。一瞬ホラーっぽい描写もあるけど、その描写す…

「東京怪奇酒」清野とおる

エッセイ漫画家清野とおる氏の飲酒ホラーエッセイ漫画。心霊スポット的なところにいき飲酒するという作品。 恐怖から解放された安堵感で街がキラキラして見える感覚、共感する。 それぞれの会議話も飲むお酒もなんだか庶民的ですごくいい。そして、真似した…

「風の谷のナウシカ」宮崎駿

全7巻。ジブリの映画として有名だけどコミック版は内容が違う。生命について、社会について、人間について、非常に深みのある考えを与えてくれる。世界の浄化について。存在のあり方について。生命や生活より優先すべき崇高なものについて。こんなに有名な人…

「pink moon」Nick Drake

CD

アシッドフォークの名盤、Nick Drakeのピンクムーン。うつ病の中、深夜二日間で作られたというストーリーから陰鬱な雰囲気かと思いきやその歌はとても優しい。疲れきった末に生まれる包み込むような優しさといった感じ。シンプルな構成、奇を衒わない歌、し…

「ミュウツーの逆襲evolution」湯山邦彦

昔やっていたミュウツーの逆襲のリメイク版。内容は同じでオール3Dになっている。内容同じだし3Dあまり好きじゃないのでどうだろうなと思っていたけど全然見れた。むしろよかった。流石に元の映画より好きかと問われればそうではないが、見てよかったと思え…

「サマーウォーズ」細田守

日本のアニメ映画。取るに足らない少年が世界を救うために戦う、という割と普通の設定ですがけっこう面白かった。ありがちではあるかもしれないけど、そのありがちさで少し熱い気持ちになれた。タレント声優さん、うまくハマる場合もあるけど、どうしても画…

「LOVE」Age Factory

CD

日本のスリーピースバンドAge Factoryの音源。最近ごりっとしたバンド、ライブハウス以外で聴かないなーと思ってたけど、なかなかごりっとしたバンド。ブッチャーズやファウル、イースタンユースなど北海道のバンドがもつ内向きの暑苦しさにすこし近いテイス…

「Little Nightmares」Tobias Lilja

ホラーゲームリトルナイトメアのサウンドトラック。すげーいい。トラディショナルなダークアンビエントを中心としたアルバム。オルゴールやハミングのメロディも不気味かつどこか懐かしい印象を与える。ゲームの世界観をより際立たせるだけでなく音源として…

「Never the Right Time」Andy Stott

ダークな雰囲気のエレクトロニカアーティストAndy Stottの新譜。これまでの音源に比べてダークな印象は薄めで神秘的な雰囲気が強いかも、と思っていたけど改めて聴きながらレビューするとけっこうダークな雰囲気。一曲目にしっかりとした歌が入ってる。ダー…

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」庵野秀明

TVアニメシリーズ新世紀エヴァンゲリオンのリメイク劇場版四部作の完結編。おそらく最後のエヴァンゲリオン作品。考察の余地がいろいろとある作品だと思うが、見終わった感想として人生を感じた。最初のエヴァンゲリオンが1995年、本作の公開は2021年。その…