日本のオルタナロックバンドきのこ帝国の音源。これの後にでたユーリカに比べてシューゲイザー感は少なめだけど、浮遊感がありつつも尖ったギターとアンニュイなメロディセンスが素晴らしい一枚。後期に進むにつれてポップミュージックの色合いが強くなっていったきのこ帝国。この音源は非常にいいバランスだなと改めて聴くと思います。
「のんのんびより ばけーしょん」川面真也
田舎暮らしの子供たちの日常を描いたアニメ作品の劇場版。今回は沖縄旅行編。相変わらずノスタルジーを呼び起こす内容。なんかアンニュイな気分になります。また舞台が沖縄というのもあり余計に感傷的に。6年間住んでいたので。どこか特別な土地ができるというのは価値観の幅が広がるのでとてもいいことだと思います。いいことですが、離れてしまった特別な土地のことを思うと感傷的になってしまう。もうその土地でずっと暮らすことはないのだな、と考えると寂しさを感じると同時に過ぎてしまった日々も思い出されます。無常を強く感じる。また行こうと思いながらも二度と行くことがない場所のことも思い出される。全部過ぎ去っていくな、と。今この瞬間も数年後には記憶にすら残らないのだろうと思うと、人は日々死んで生まれ変わっているのではないかと思ってしまいます。内容に関係ないけど、なんだか無常を感じさせる要素がある、そういう作品でした。いや、やはりこれはこの作品がもつ力かも。ゆるゆるに見せかけて胸がきゅっと締まるようなそんな作品かもしれません。
「ペンギンハイウェイ」石田祐康
「一人交換日記」永田カビ
永田カビさんのエッセイ漫画。世界の見方や自分への向き合い方に共感。自分は表現方法が音楽だし、割と周囲の人間とうまくやれてるし、というか愛のある人々に恵まれてるし、うつ病から帰還して以来、ほぼやりたいことしかやってないし、いろいろ現われとして全く違うけど、物事への向き合い方に共感してしまう。カビさんに共感するというよりはカビさんの描いている内容に共感する、というのが正しい。というより、カビさんの描いてる内容の自分の解釈において共感する、というか。日本語おかしいことなってますがそんな感じ。苦しんでいるけど、なんでそんなことになっているかわからない人にオススメしたい作品。そして、自己分析した上でどうにもうまくいかない人にもおすすめしたい。
永田カビさんが素敵な作品を世に出していて、それに救われていたり心を動かされている人がいる、という事実が多くの人に届いたら嬉しいなと無関係な人間ながら思ってしまいます。見ていて自己欺瞞を感じさせない形でカビさんが幸福を感じている作品が読める日が来ればいいなと心から思います。
「ハングオーバー!」トッド・フィリップス
アメリカのコメディ映画。酔っ払いのアホな面白さとアホな友情の素晴らしさを感じることのできるアホな作品。アホなことするのって素敵だなとしみじみする反面、他人事とは思えなくて怖いなとも思いました。記憶失くしたりすることもあるので気をつけたいな、と。観ていて楽しいし、アホなことできる友達って素敵だなと改めて思えるいい映画でした。自分は飲み過ぎないように気をつけよう。
ハングオーバー! [WB COLLECTION][AmazonDVDコレクション] [DVD]
- 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
- 発売日: 2018/03/17
- メディア: DVD
「It Should Be Us」Andy Stott
Andy Stottの2019年の音源。相変わらずダークな雰囲気ですが今までよりは少し控えめで割とノリやすい感じの音源です。決して明るくはないけど。すごくノリやすいけど個人的にはズブズブ沈んでいく感じが好きだったのでお気に入りのアルバムにはならないかなと感じてしまいました。とはいえ、サウンドも洗練されていて都会の闇みたいな空気感はやはりかっこいいです!クラブとかできいたらすごくかっこいいかも。行ったことないけど。