kazki//okadaの備忘録

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「えんとつ町のプペル」廣田裕介

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西野亮廣原作の絵本を西野亮廣さん総指揮でstudio 4℃が製作した3Dアニメ映画。お笑い芸人キングコングの西野さんという肩書きより実業家というかオンラインサロンの人というかそっちの方の立場からのアプローチという印象を受ける作品。悪い言い方をすると役立つ知識をくれるけど少し胡散臭さを感じていたので少し斜に構えて見てしまったところがあったけどおもしろい作品だった。賛否両論あるかもしれないが純粋に親子で楽しめる良質な作品ではないかと思った。子供が見ても飽きさせない仕掛け、街のデザインの綺麗さ、キャラクターのわかりやすさ、ストーリーもおもしろいし、メッセージ性も伝わりやすい。逆にわかりやすさに振っている分、含み、深みの少なさや押し付けがましさ、芸術として足りない部分が多くあるとは思うが普通に良作だと思う。話の中に出てくる時間が経つと腐る通貨の話もわかりやすくていいと思う。腐らないお金が肉や魚や野菜より価値を持ってしまう、そして、それが争いや格差を生む、それから抜けるために腐るお金を作り腐る前に使うことで経済が回る。それに向けられる富めるものからの攻撃。そこからの逃避とクローズな社会の形成。社会モデルにできるものではないが現在の社会の見直すべき点に気付くためのきっかけにはなっていると思う。特に今まで社会について世界について全く考えてなかった人にはいいきっかけになるかもしれない。大人も子供も楽しめる形でそういう気付きにつながる作品を広く世間に向けて発表できるというのはすごいことだと思う。西野さん自身に対する賞賛も批判もいろいろあると思うがこの作品とこれを作って広めるという活動は評価すべきだと思う。そこの部分は自分も見習いたい。