kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「Night Food」EGO-WRAPPIN'

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日本の音楽ユニットEGO-WRAPPIN'のサードアルバム。ジャズ感が強い歌物。パワフルな女性ボーカルもかっこいいが、個人的には楽器隊の演奏がかっこいい。ギターをはじめ、ウッドベース、ドラム、ピアノ、ホーン、キーボード、どれを聴いてもすごく隙がないな、と感心する。ギター弾く人間としてはやはりギターが気になってしまう。ギター自体はロック色が強いと思われる。周りの演奏とコード感でジャズっぽさも強い。ソロがダイナミクスに富んでいて素晴らしい。それでいてエモーショナルさも感じる。今までがっつり歪ませたソロばかり聴いてきたので新鮮でとても面白く、すごく参考になる。トータルの印象として、おしゃれな夜、という感じ。わかりやすく大人なお洒落感があるのがいい。うたものでジャズ感あるのあまり聴いたことなかったので今後聴くきっかけになりそうな一枚。

Night Food

Night Food

  • EGO-WRAPPIN'
  • J-Pop
  • ¥1800

「人間仮免中」卯月妙子

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卯月妙子さんの壮絶な自伝的漫画。どのエッセイよりも壮絶といっていいくらい壮絶です。統合失調症の凄まじさ、歩道橋からの顔面ダイブによる大怪我、ボビーさんとの日々、どこをとってもすごい。壮絶なはずなのですが人生を前向きに描いていて本当に素晴らしい。これも涙が出ますね。最近、すぐ涙が出ますね。どんな状況だろうと生きていることに感謝、それがグッと伝わってくる作品です。自分も悲観的にならず生きていることに感謝して日々過ごしたいなと思います。辛い状況に追い込まれて、そこから抜け出すと生きることそのものに感謝できるようになる、という経験(というと少し大げさですが主観的には本当に生きていける気がしませんでした笑)ありますが、状況が安定してくるとついそのことを忘れがちです。この作品はそういう大切なことを思い出させてくれたり、過酷な状況に負けない勇気をくれたり、人の人生から学ぶことって本当に多いなと思わせてくれます。このような状況を作品にしてくれた卯月妙子さんに心の底から感謝です。

人間仮免中

人間仮免中

「Rainforest」David Tudor

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David Tudorの実験的な音源。電子音で熱帯雨林のような音を出す。実験的といっても音楽としてしっかり成立している。ミニマルミュージックの心地良さ。自然っぽい音なのにどこか無機的なところがあって、それがいい方向に作用している。心地よく癒されるので入眠にもとてもいい。ほんとに最先端な聴き心地でまったく古さを感じない。50年くらい前の楽曲とは到底思えない。やっぱふごくいいものは時代を超えるんだなって思いました。そういうものを自分も作っていきたい。

David Tudor: Rainforest (Versions 1 & 4)

David Tudor: Rainforest (Versions 1 & 4)

  • デヴィッド・チュードア & Takehisa Kosugi
  • クラシック
  • ¥1500

「VARIATIONS IN DARKNESS」SIGUR ROS

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SIGUR ROSの新譜。最近の音源はアンビエント寄りなものが多いSIGUR ROS。昔のシガーロスも好きだけど個人的には最近のシガーロス、すごく好き。本作はアンビエントのなかでもダークアンビエントな雰囲気がある。最高。映画のサントラのような雰囲気とシガーロスのもともともっている雰囲気があわさってすごく素晴らしいものが出来上がっている。ますます好きになります!シガーロス!新譜が楽しみなバンドが増えました。ありがてぇ。

「大好きが虫はタダシくんの」阿部共実

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ちーちゃんはちょっと足りない、で有名な阿部共実さんの短編集。前半半分くらいを占める「ドラゴンスワロウ」はシュールな日常系。ボケや表現が秀逸。これはこれでとても面白いが、後半からどストライクになってくる。「破壊症候群」もなかなか面白いが一番好きな阿部作品のタイプとはちょっと違うかも。それ以降の三作品激ヤバです。「あつい冬」は前半ギャグ、なのですが最後の一コマでバキバキに心砕きに来る感じ。「デタジル人間カラメ」はもう最初からぶっ飛んでる。「大好きが虫はタダシくんの」は人間のえぐみのある暗さが存分に表現されている。最高すぎる。阿部共実さんの明るい作品もすごく好きですが、やはりぶっ飛んでるのとかやたら暗いのとかもう最高です。いまの日本の漫画家で一番好きかもしれません。絵も可愛いし最高!他の作品も最高なのでぜひぜひに!

「ツレがうつになりまして」細川貂々

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細川貂々さんのエッセイ漫画。夫が鬱になったときのことを描いた作品。宮崎あおい堺雅人主演で映画化もされている。ストーリー自体は特別なものではないのですが、鬱経験者としては涙なしに読めない作品です。映画の方は鬱経験前に観ていて、いい話だなーくらいに思ってました。が、しかし!自分がなってみてから観ると、涙腺にグイグイくる。なんとも自己中心的な人間だなと再確認できました。ですが、これ、自分以外でも起こりうると思います。多くの鬱に苦しんでる人に希望を与え、多くの鬱に苦しんだ人に周りへの感謝を改めて再認識させるいい作品だと思います。原作の漫画もやはりグッときます。周囲の皆様に本当に改めて感謝。自分も苦しんでいる人に良い影響を与えられる作品を作りたいなと思いました。何かしてあげたい、ではなく、自分が好きなことをやって、その生き様をみて、勝手に救われてくれたらすごく嬉しい。やはり自己中心的ですね。いろいろ再認識させてくれる良い作品でした。

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

ツレがうつになりまして。 (幻冬舎文庫)

「風」エレファントカシマシ

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日本のロックバンド、エレファントカシマシのアルバム。荒々しさが戻り、そして、渋さが加わってきた時期の作品。扉などと同じくらいの時期かな。アルバムトータルの素晴らしさもさることながら、タイトル曲の風、友達がいるのさ、平成理想主義など超名曲が収録されているという点も見逃せない。よく考えたら他のアルバムもそうかもしれませんが。本作や扉など、宮本さんがまっすぐな大人の男を全開にしているアルバム、今の自分にかなりささります。30代男性のみなさん、必聴ですよ!