kazki//okadaの備忘録

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「むだい」代代代

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関西のアイドルグループ代代代のアルバム。正直これはすごい。J-popにカテゴライズされてるけど、ポップスな訳がない。エクスペリメンタルな方々が多く出るようなライブハウスでの共演を除き、ここ数年で聴いた日本のロックやポップスなどの音楽の中で1番尖っている。ポストハードコアなアイドル、みたいな感じでネットで書かれていたので、ある程度、刺激的なものだろうなと思っていたけど正直全然期待していなかった。そういうアイドルいたら面白そうだなとは思っていたけど、どーせ大したことないだろうと思っていた。なんだかんだでポップスの枠を超えるような作品と出会ったことがない。後ろの演奏がちょっと激しくても結局歌の部分で昔テレビでみたようなアイドルの歌と大して変わらないものにしか出会ったことがなかった。ただこの音源は違った。おーいーじゃん、みたいな感じではなく、え?!となった。一曲目は割と普通の歌。アレンジはすごくいいしメロディも好きだけど、まぁこんな感じだよなーと思った。二曲目で衝撃を受ける。ん?となった。音もアレンジも歌といえるかわからないけど歌も衝撃を受けた。ポストハードコアとか狂ってるとか書かれていたから最初はデスボイスっぽいので王道ハードコアっぽいのをちょっと捻ったようなものが来ると思ってた。が、違った。雰囲気でいうと、難波ベアーズとかに出ているアーティストが醸し出す感じ。ただ、そこら辺とはまた違って何というかnine inch nailsを聴いて育ちつつ、ベアーズとかで切磋琢磨してきた感じ。勢いと技術が同居している。本当に感心したし本当に驚いた。地下じゃないところにこんなすごい音楽があったのかと。そして、自分にとっては新鮮だった。割と尖ったバンドもの、コンテンポラリージャズ、へんなアンビエント、そういうのを聴くことが多かったのだけど、そことは離れた音楽だった。二曲目が終わって、これは一個だけ変なの入れてみた感じかな、と思ったけど、それもそうではなかった。さすがに二曲目ほどひっかかりの強い曲はなかったけど、がっかりする曲がなかった。一曲ごとに驚いた。そして、むちゃくちゃなのにアルバム全体に統一されたポップ感みたいなものを感じた。曲の多様性もあり全然飽きない。これは名盤だと思う。ミドリを初めて聴いた時と少し感覚が似てる。全然ものとしては違うのだけど、尖り具合、メロディの存在感、勢い、聴いた時の新鮮な感覚、それらが聴く側として少し重なった。主観側で重なった。変な例えだけど、生クリームとナッツは全く別のものだけど、いくらでも食える、という点で重なる、みたいな。生クリームとナッツは似てないし、どっちもいくらでも食えねぇよ、となる人は多いだろう。ただその人の中ではいくらでも食えるという主観的な意見の部分で重なる、みたいな。そういう感じ。

その話はいいとして、代代代さんの音源いろいろ聴いてみようと思った。自分が持ってないものいっぱい含まれてるし。単曲もいいけどアルバムの流れ、構成もすごくいい。自分のアウトプットにも影響しそうないいアーティストと出会えた。アイドルの曲ちゃんと聴くの初めてかも。音聴く限り、ほんとアイドルなんかわかんなくなるけど。

むだい

むだい

  • 代代代
  • J-Pop
  • ¥1528