kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「100日間生きたワニ」ふくだみゆき/上田慎一郎

f:id:kazki_okada:20230308223805j:image

きくちゆうきさんのTwitter漫画「100日後に死ぬワニ」のまとめと後日談を映画にしたもの。Twitterでリアルタイムでやっていた当時、Twitterを使ったリアルタイム感とカウントダウンの緊張感、何気ない日常とカウントダウンの数字のギャップ、本当の意味での無常感(何か特別なことがあって日常というのは奪われる、とかじゃなく本当に生きるという日常がそもそも無常であること)などいろいろ素晴らしく、とても楽しみにしていた。宣伝の仕方で結果炎上したけど、そんなことは作品の良し悪しには関係なく自分は素晴らしいコンテンツだったと思うし、人々に死を意識させる本当に素晴らしい表現、なんなら自分がやりたいこととかなり近くこんな伝え方もあるのかと感動した。

本作はその原作をまとめて映像化したものが半分、後日談が半分という感じ。前半部分に関しては原作を知ってないとちょっと内容が薄いと思われてしまうかもしれない雰囲気はあったものの謎の静かさや落ち着いた感じはすごく良かった。後半、オリジナルキャラのカエルくんが出てきて、ウザキャラだけど暗い過去があり、それを通じ、ワニの友達と仲良くなっていくというもの。カエルくんのぶっちぎりのウザさ、世の中うまく生きていけなそうな苦しさ、ウザさが変わったわけではないけどなんとなく馴染んでいく過程、キャラクターとして嫌いというわけではなく世の中の苦しさやもどかしさの象徴として見てて苦しかった。あとはワニ好きな気持ちからカエルがいまいち入ってこなかった。そういう意味ではなんというか心からは楽しめなかったかもしれない。亀田誠治さんのBGMあえてだとは思うけど妙にチープな感じでよかったけど違和感もあった。

あとは本当にどうでもいいことだけど、ふと100日間生きたワニというタイトル少し笑ってしまった。生後3ヶ月かよ、と思ってしまうとじわじわきてしまった。ワニが生きた100日間ではあるが100日間生きたワニではないのではと思ってしまった。