親がエホバの証人に入り子供の頃からエホバの証人として生きてきた方のエッセイ漫画。子供の頃、親がエホバの証人に入ってから、本人がエホバの証人の信仰を捨てるまでの人生を描いた作品。
エホバの証人二世でエホバの証人を抜けるまでを描いた、いしいさやさんの作品と形は近い。
エホバの証人である時、勧誘や集会におけるつらいこと、暴力を伴う躾など、苦しみのポイントに共通点があり、そういう部分はあるのだなと余計に思えた。
また、抜けてからの通常の生活に伴う罪悪感による苦しみなども共通しているなと感じた。
宗教や価値観などを押し付けることの問題点を強く感じた。また宗教は本当に強い力を持っているというのも改めて感じた。それによって救われる人も多いのは事実ではあるが死ぬことや生きる上での苦しみから目を背けるだけになってしまっては良くないのではないかとも思った。
本作は最終的に、生きることそのものの理由なき肯定、にたどり着いているように思われる。それは素晴らしいことではあるが、それに対する盲信も宗教のもつ思考停止させる力に近いものになってしまうと思うので、やはり考え続けなくてはいけないのかなとも思った。