kazki//okadaの備忘録

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「シン・エヴァンゲリオン劇場版」庵野秀明

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TVアニメシリーズ新世紀エヴァンゲリオンのリメイク劇場版四部作の完結編。おそらく最後のエヴァンゲリオン作品。考察の余地がいろいろとある作品だと思うが、見終わった感想として人生を感じた。最初のエヴァンゲリオンが1995年、本作の公開は2021年。その年月の重み、製作側の重みを感じた。新劇場版の一作目を見た時、ただのリメイクかと思っていた。しかし、それは違って新しい結末、エヴァンゲリオンという作品に新しい決着をつけるような作品だった。作品としての価値がどのようなものであるかは真っ当に判断できない。自分は作品から滲み出る重み、濃度、歴史のようなものにのまれてしまった。墓標となるような作品を作ることに意味はないと思う。結局のところは何も残らないし、何にもならないだろう。けど純粋にいいなーと憧れる何かが確実にそこにあった。胃の底にあるゲロや腸に詰まる宿便を口から捻り出すような作品が墓標となりうると思った。墓標という言葉の使い方はおかしいかもしれないがうまく言えないけど一番しっくりくる言葉。

作品の感想に話を戻すと、世界の不確実性や一応の有限性、時間の不可逆性などいろいろなものを感じた。それは純粋に作品から得た感想ではなく、記憶や経験から作品に誘発されて湧き出た感想や感情の可能性が高い。最近、このような感覚を与えてくれる作品にあまり出会っていないので、やっぱ好きだなと思う。

いろいろ述べたけど、ディストピア的世界観、精神に目を向けた内容、中二病的な要素、魅力的なキャラクターなど単純に好きなのかもしれない。

支離滅裂でごちゃっとしてしまったけど純粋にいい体験でした。


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