kazki//okadaの備忘録

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「西田幾多郎-生きることと哲学」藤田正勝

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日本の哲学者、西田幾多郎についての新書。西田の生涯、思想の背景、哲学について丁寧に書かれている。

まずはじめに西田がどのような人物でどのような生涯を送ったかが述べられる。

次に最初の著書「善の研究」を中心に、主客未分、純粋経験など初期の西田の思想について述べられている。その他にも芸術についてなども。この辺りはある程度理解把握できる。自分が修士論文善の研究を精読していたからかもしれないが内容としても理解しやすい。

その後、「場所」「自覚」と理解が難しい概念について述べられる。これは非常にわかりづらい。この著書に問題があるというわけではなく概念自体が理解しづらい。場所については、述語であり主語とならない場所、と言い表すことができる。今まで理解できなかったが本書のおかげで少し理解できた。私は人間、人間は動物、動物は生物、と述語は主語になりうるが場所とはそうではなく主語にならないところ、ということだ。自覚についてはもう一読せねば、と思っている。

そこからまた西田幾多郎をとりまく人々とその関係、弟子の三木清田辺元について述べられる。三木清は何冊か読んだことあるが田辺元については名前しか知らなかったので改めて読んでみたい。

その先も「絶対矛盾的自己同一」「絶対無の場所」など理解しづらい概念が続く。あまり理解しないまま読んでしまったことは否めない。改めて精読する必要がある。

新書にも関わらず内容が難しかった。所々理解せぬまま流し読みしてしまった。西田幾多郎の思想は一筋縄には理解できない。いろいろ読んだ上で改めて読み直したい。

西田幾多郎―生きることと哲学 (岩波新書)

西田幾多郎―生きることと哲学 (岩波新書)