kazki//okadaの備忘録

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「黄龍の村」阪元裕吾

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日本のインディー系のホラー映画。ホラー映画?いや、ホラー映画ではないかも。サイコパスVS凶悪ヤンキーの映画ハングマンズノットで有名な阪元裕吾さんの映画。

 

タイトルやポスターから自分からはまず観ないタイプの映画なので、そんなもんは勧められても観ないよ、という気持ちはわかる。

タイトルからは最近量産されている村系のJホラーのような雰囲気というか、あらすじなんかもそのまんまだし、ただの低予算クソホラーそのものである。

 

実際、自分も無理やり見せられたような形で夕食時に見始めた。

見始めて、そして、見終わって思ったことは、これは全くもって量産型のクソJホラーではないと、少なくとも自分はそう思う。

 

まず、見始めて最初に意外とリアリティのある演技に興味がいく。プロの俳優がやるプロの演技というか、ドラマっぽい演技、演技っぽい演技ではなく、お、なんか下手な演技じゃないし演技っぽい演技でもないナチュラルな雰囲気だと思わされる。最初はモキュメンタリー風のスマホ的な画角から始まるのだけど、それもあまりいやらしくないというかなんか凝ったことやってます感も少ない。原因はわからないけど、そういう感じの技法にアレルギーがある自分が抵抗なくすっと観れたのには何らかの原因があると思う。

話が進んでいきテンプレ展開でチャラチャラした登場人物が次々と酷い目に遭っていくのだけど残った一人が(主人公と思われるような人物)怒りの復讐にこれからいくのか?という怒りの演技が割とクレイジーな雰囲気が出ててとてもいいがその瞬間また別展開に。ここまでの展開が非常に早くダレることなくすすむ。ここで終わりか?という雰囲気から物語が展開、というか実質ここから本編スタートといっても良い。

 

少々ネタバレになってしまうがこれは量産型村系ホラーの皮を被った、ちょっと笑える爽快系アクションバイオレンス作品である。そして一切の胸糞展開もなくエンドロール後のオチも含めて、こりゃ一本とられた!という作品だった。観終わった後の爽快感も素晴らしい。展開も予想通りの予想外(予想通りではないけど、はいはい、予想裏切ってくるその感じは予想通りですよ、と悪態をつきたくなる感じ)ではなく、本当に予想外みたいなこともないけど、ナチュラルに楽しめる展開でよかった。

作品自体が60分ほどしかなく飽きずにどんどん展開していくのも爽快でいい。じっとりしたゆっくりの映画も好きだけど、爽快なのもいいなと思った。

 

阪元監督のハングマンズノットは正直そこまで好きではなかったけど、こちらの黄龍の村はとても好みの作品だった。インディー感もよく働いておりまさかの割と手離しでおすすめできる映画だと思った。

 

偏見をもって観る前にこんなの観ないわーなんて判断するのはよくないなと思えた。とはいえ、あまり時間がないのでいちいち全部観てられんよ、という方が強い。そこのところの判断は非常に難しいけど縁あって面白い!と思える映画が見られたのはありがたいし、無理やり見せてくれたことに感謝もしなくてはいけないかもしれない。

 

自分だったら勧められても観ないかもと思うけど、ぜひ観てみてほしいと本当に思います!