日本のオルタナティブロックバンド、Arabzのコンセプトアルバム。2020年代、日本のロック音楽の名盤間違いなしの一枚です。こんなにガツンと好みにどストライクなのは久しぶりです。ああ、こういう新しいよさがあったんだ！という斬新な発見とは違う、わぁ、これ完全にど真ん中のやつやん！というやつです。育った音楽環境や価値観が近いのでしょうか、自分のやっていることとベクトルは違うのだけど、いや、ベクトルも近いのだろうか、とにかく、これだ！というのをど真ん中でついてくる。サウンド、声、楽曲すべてが好み。手前味噌ながらこのご時世、こんなに暑苦しい(自分の定義で)バンドは他におらんだろう、と自負していたのだけど、いや、Arabzがいるじゃあないか！と改めてなった。ギター、ベース、ドラム以外の音色のコントロールも素晴らしい。シンセやサンプリングの音もガッチリ馴染んでいる。そしてアルバム全体として飽きがこないような多様性や振り幅がある。それも好みだ。同じような楽曲が続くのも統一感があっていいが個人的には曲が全然覚えられないので多様性がある方が好き。そして言及せざるを得ないファズの音。どうしたってテンションは上がる。音源も名作、というよりArabzの音楽が多くの人に届くといいなと思える。少し前にライブ音源も出たのでそちらもチェックしたい。ライブと音源、違ったよさがあるバンドなのでライブ音源も楽しみ。
余談だが、自分の曲にも酔生夢死という曲があり絶対かぶることはないと思われる曲名で重なるのはなんとなく嬉しい気もする。
