kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「ブッダ」手塚治虫

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手塚治虫ブッダ文庫版。仏教を開いた釈迦族の王子ゴータマ・シッタルダの生涯を描いた作品。原典からの改編は多々あるようだが大まかにブッダの生涯や思想を知ることができる。仏教や哲学、宗教に興味を持つにはすごくよい作品ではないかと思います。話も面白いのでどんどん読めるし改めて勉強しようと思えるいい作品でした。あと、いくつぐらいの時にどうだったか、みたいのが活字資料より入ってきやすいので、ますます頑張らなきゃいけないなと思わされる。

ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)

ブッダ全12巻漫画文庫 (潮ビジュアル文庫)

「増強坑炎 テロイドのすゝめ」HELL型

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沖縄のパンクバンドHELL型の新譜。ぐったりしがちなご時世ですが、胸ぐらを掴んで立ち上がらせてくれるあつい音源。独特の捻れを孕みながらも、どストレートに突き進む異形のパンクロック。それがテロイドミュージックなのだろう。喉を削りとるようなボーカル、それをがっちり、なおかつ型にハマってない形で支える演奏陣。たまらんぜ、HELL型!!!ブッチブチのファズサウンドも魅力!もはやビットクラッシャーのよう!ライブが見たいね。みんなで生き残りましょう。闘うためのパンクロック!

「幸福について―人生論 」ショーペンハウアー

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哲学者ショーペンハウアーの幸福について論じた著作。

ものすごく雑にまとめれば、幸福には精神的なあり方が重要であり、所有や名誉などは揺らぎやすく際限のない虚なものである、ということである。つまり、外的要因ではなく内的要因こそ重要である、ということである。

構成としては、幸福には人のあり方、人の有するもの、人の印象の与え方、すなわち精神、所有、名誉が要素として挙げられ、精神が重要であることを述べ、その後、これまでに存在する格言の類を考察していくというもの。

概ね同意できる内容であるが個人的に新しい何かを与えてくれた印象はあまり受けなかった。再認識という形ではあるが二点ほど、なるほどと感じた部分についての自分のメモを載せておきたい。

 

一、財産について

財産そのものに価値を見出すことは虚しく際限ないものである。

現に存在する財産は不慮の事態に備える防壁とみるべきである。蓄えた財産は固定の資産とせず資本とすべきである。つまり、貯めるためではなく何かに使うための財産である。残すべきは不慮の事態に対する備えぐらいである。

二、快楽と苦痛について

「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」というアリストテレスの言葉をあげ、享楽や幸福が消極的否定的な性質を持ち苦痛が積極的肯定的性質があることを論じる。説明の中で「幸福は幻にすぎないが、苦痛は現実である。」というヴォルテールの言葉を挙げている。個人的には幸福、享楽、快楽の類が幻のようなものであることは同感であるが、苦痛もまた幻のようなものであるとも思う。幸福を求めず、苦痛なきを求める、ではなく、幸福も苦痛も幸福ななきも苦痛なきも求めないのがよいのではないかと思う。

 

一読の価値がある著作だと思うが、現状では自分の人生に大きな影響を与えるには至っていない。読みにくい著作ではないので哲学に興味がなくとも読みやすいと思われる。

幸福について―人生論 (新潮文庫)

幸福について―人生論 (新潮文庫)

「カラスヤサトシのでかけモン」カラスヤサトシ

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漫画家カラスヤサトシさんが実在する駅を選び、その駅周辺で街歩きするエッセイ漫画。自分の好きなカラスヤさんカラーはありますが全体的にあっさりめ。街も目的があっていくわけではないので見所を紹介する感じではなく純粋な街歩き。やはりあっさりめ。面白かったですが他の作品に比べてやはりあっさりめな印象。お、そこ行ってみたいな、とさせる目的の作品ではないと思うのですが、お、行ってみたいな、という風にならないとちょっと印象薄め。街歩きファンならあるあるネタが沢山あるので楽しめると思いますが、個人的には他のカラスヤさん作品の方がすきかもでした。ゆるふわな面白さはありますが!

 

 

「パプリカ」今敏

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日本のアニメーション映画。近未来SFになるのかな。久しぶりにみてみると面白かった。夢の描写が面白い。導入から展開、終盤まですごくスムーズにみれて安心して楽しめる面白さ。絵柄はあまり好みではないけど魅力的だと思う。平沢進の楽曲、とてもいいなと思う。面白い。音色も楽曲もいい。感想書いてみるとすごくあっさりしてるけどとても良かった。うまく文章にできてないだけで本当に面白かった。

パプリカ [DVD]

パプリカ [DVD]

  • 発売日: 2007/05/23
  • メディア: DVD

「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」ショーン・ベイカー

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アメリカのヒューマンドラマ映画。音楽は関係ないのにパンクを感じさせる映画だった。画面の色彩がきれいと言われて見てみたのだがそこはあまり感じなかった。たしかに建物はビビッドな色彩だったけど。それよりも映画全体から溢れるパンク感が胸を打った。荒々しく愉快でありつつも不安で儚げな雰囲気が色濃く滲んでいる。貧困の連鎖、格差が生む歪み、経済と治安、いろいろなことを考えさせられる。生きていくことの大変さを考えさせられると同時にきびしいじょう厳しい状況でも生きていけるという希望も感じた。登場人物の女の子(幼女)の悪ガキっぷりも痛快、近くにいたらかなりやばいけど。ラストシーンあたりのその子の感情の表現は必殺感があり、気合入ってるなーという見方をしてしまう部分もあるけど、それを力技で押し切っていいなと思わせるものがある。

個人的に、反体制や弱者の抵抗など反骨感のあるものに非常に弱いので、作品の質がどうというより、こーゆーの好きだな、と思ってしまった。できれば余裕のある生活がしたいし、心の平穏を乱されることなく生きていたいけど、マジョリティや権力者による横暴に屈することなく、そして、傍観することなく、やりたいと思ったことややるべきと思ったことをやりたいとという気持ちは忘れずにいたい。映画と関係ない話すみません。

「これならできる! 自家採種コツのコツ」自然農法国際研究開発センター

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自家採種の基本から実戦まで幅広くカバーした本。自家採種の基本的な部分や各品目の具体的な方法などがのっているのでかなり参考になる。完全な初心者には分かりづらい部分はあるかもしれないが基本的には初心者向き。自家採種に適した品種の名前なども載っているので入り口としてはかなりいいのではないかと思われる。実践の際には他の経験や知識と合わせて参考にしてみてもいいかも。すべての農業関連の本にいえることではあるがこれ一冊ですべてOKとはしない方がいいけど。