kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「Hell's Kitchen Park」 Loren Connors

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アメリカのアンビエント、エクスペリメンタルのギタリストLoren Connorsの音源。

 

勧めてもらい聴いてみたのだけどめちゃくちゃいい!

ものすごく好みです!

 

膨らみがありつつ輪郭はしっかり見えてローファイ感のあるクリーンのギターの音色も素晴らしいし、滲むような音なのに古臭くギラついて角が立っている歪みの音色も最高!ゆっくりで切ないコードとメロディもたまらない。余計な音が入ってないのもいい。

 

自分が求めているものの空気感に関する大きなヒントがあるような気がする音源でした。

アルバムがあまり長くないのもいい。途中でほんの少し入る歌もたまらなくいい。古い日本の唄のような雰囲気。それ以外の部分もよく考えるとなんとなく日本的なものもあるかも。

 

切なくも教訓に溢れる怪談のような雰囲気で自分の思うことを音楽にしたいと日々考えているのですが、近い嗜好性を持つ人には本当にお勧めしたい。

 

よく言ってしまってるかもしれないけどここ数年聴いた音源の中でも一番なにか引っかかったかもと思いました。

https://music.apple.com/jp/album/hells-kitchen-park/809915072

「フリーランス&個人事業主 確定申告でお金を残す!元国税調査官のウラ技」大村大次郎

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確定申告に関する知識の本。

 

ここ1ヶ月ほどで7冊ほど確定申告に関する本を読んだけど、こちらかなりおすすめです。一番気になる部分をしっかり突いてくれている。元国税調査官だから言えることもあるのかもしれません。

 

いい意味でタイトルほどウラ技感はありません。つまりグレーなことをギリギリでやるようなウラ技ではなく、リスクなく使える実用的な技がいろいろ書いてあります。

 

本書の中にもあるように、ある程度知ってる人ならこれ一冊、あまり知識がない人は入門書的なものをもう一冊持っておいた方がいいです。これ一冊だと基本的で具体的な手順に関しては少しわかりにくい部分もあるかもしれません。

 

無条件に青色申告を勧めていなかったり、経費の扱いだったり、家事按分の割合だったり、税務署側の本音というか立場というか、そういう目線からの知識がとても参考になります。どういうものが警戒されたら怪しまれたりするのかなど。こちらも元々、不正をする気は全くないけどビビりすぎて損をするのは嫌だという立場なのですごく求めているものに合っています。微妙にわからないからやめておこう、というのが多かったので。税務署は取りすぎたものは何も言わないけど足りないものは許さない、というスタイル(税務署だけではなく個人間の商売以外たいがいそんなもんだと思いますが)とあるのもその通りだとこれまでの経験から感じているので、そこのところカバーしてくれる良い本だと思います。

 

節税や払いすぎた分取り返せる可能性があることなどについてもいろいろ書いてあり、保険などについても改めて考えようと思えました。

 

愚痴に近いですが、全く儲けている実感がないのに(わりと生活するのでいっぱいいっぱい)10万円以上も税金で取られることに違和感があります。ここらへんもきっと確定申告や節税の仕方などの知識がなさすぎるからだと思います。

 

この本ともう一冊基本をおさえてくれる本で忙しくなる前に保険や節税について改めて考えたいと思います。

「かみまち」今日マチ子

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上下巻。心に傷を抱えた家出少女の物語。

 

少なめの線で独特の浮遊感がある絵柄の今日マチ子さんの作品。

自分が今まで読んできた作品と比べてダークで余裕のない感じ。

これまでの作品は行間が広いというか解釈の余地があるというか軽くて深いような、そう言う印象があった。

それと比較して本作はテーマが大きく影響していると思うが重めで余裕のない感じ。

あとがきにて制作にあたりインタビューを行ったことや制作していてつらかったことなどが語られていた。

意図的か意図せずかわからないけど、それが作品自体の余裕のなさにつながっているのかもしれない。

個人的な好みでは今日マチ子さんの作品においてはこれまでの透明感があるけどぼやけているような作品の方が好みかもしれない。

重くてつらめの作品はとても好きだけど今回に関しては少し不一致感を感じてしまったのかもしれない。

もしかしたら自分が今日マチ子さんに対して持っている軽やかな印象のせいで、重く描写しているものもなんとなく重さにリアルを感じなかったのかも。そのせいで作品をコントロールできていないように感じてしまったのかもしれない。

このような不当な評価や印象を持たれるかもしれないけど表現者の皆さんには自分の型に縛られずいろいろやってほしいなと思う。

自分の可能性を自分で狭めてもいけないし、意図を超えたところにこそ何か見出せるものがあると思う。

自分もあまり意識しすぎず主軸だけは保ちつつその時の最善を尽くしていきたいと思った。

「はじめてでもできる 個人事業者・フリーランスの青色申告 」吉田信康

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青色申告の手引書。大きくてイラストと文字でわかりやすく解説してくれていて丁寧な手引書。

とにかくわかりやすくという感じ。第一歩としての本なので、これまで読んだ本に比べるとあっさりしているという印象。

グレーな部分などには触れていない感じ。

安価で基本が学べる入門書というか手引書という感じ。

最初の一冊としてはいいけど、これ一冊だと個人的には作業において迷う部分はありそう。

とはいえ、カバーしていない部分はなさそうなので良くも悪くも優等生な感じはします。

すぐ読み終わるので時間のない人にもおすすめ。

「ムーミン谷の彗星」マリア・リンドバーグ

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ムーミンパペットアニメーション作品。ポーランドで作られた古い作品を再編集して映画にしたもの。主題歌はビョークが担当。非常にアート色が強い作品になっている。海外のアートアニメの雰囲気。お話は原作トーベヤンソンが監修したためかしっかり原作準拠。長い間、第一作目とされているムーミン谷の彗星の内容になっている。画面の暗さや画質なども含めアート感があって非常にいい。話の内容も面白い。彗星の描写が独特でこれも魅力。あまり魅力を伝えきれていないがとてもよかった。日本もアートアニメ的なものが見つけやすい感じになるといいなと個人的に思う。アートアニメではないけどserial experiments lainカイバなどのアニメ作品がもっているアート感のある雰囲気、そういうものがいろいろもっと見てみたい。

「らんど」ZAZEN BOYS

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日本のオルタナティブロックバンドZAZEN BOYSの12年ぶりのアルバム。

 

長かったのかあっという間だったかわからないけど前作から12年。見た目も音も渋くかっこよくなったZAZEN BOYS。ベースとして385のMIYAさんが加入してから初の音源。

沖縄で音楽をやっていたものとしては衝撃すぎる展開。ゴリゴリのスラップが印象的なのでどうなるかかなり気になってました。

 

それはさておき内容ですが、大人の魅力満載のアルバム。ギターはほぼクリーントーンでカッティングを多用したファンキーな仕上がり。年齢や積み重ねがしっかり音に出てて本当にかっこいい!ちゃんと等身大な音楽をやっているように感じて嬉しい。歌声も大人の向井秀徳という感じですごくいい。

最後をアレでしめるのも流石。声出して笑った。いや、ふざけてないかもしれないけど。向井秀徳が詰まっているなと思える良作。

 

新加入のMIYAさんのベースですがMIYAさんらしい音色ではあるのに渋くかっこいいZAZEN BOYSにマッチしててすごいなと思った。トータルで落ち着いているからちょっと浮いてしまうのでは?となりそうなのにちゃんと馴染みつつ聴こえやすくアイデンティティを失ってない感じが絶妙なバランスを保っている。

 

年輪を感じるアルバム、実に素晴らしい。個人的にこういう推移がグッとくる。

同じことをやり続けるのももちろんすごいけど。

しかも積み重ねでここに行き着いた感がちゃんとあるのがほんとにすごい。

くりかえされる諸行無常よみがえる性的衝動、が昔のままではなく今のものになっているのがいい。

 

わたしも見習いたいと思いつつ、作為的になった瞬間、それは胡散臭さを放つだろうと思うので、その時できる最高のものを作り続けるしかないのだなと思いました。

 

作為のないところにこそ何か見たいものが現れる気がします。それを意識してしまうこともまた必然。結局自分はビリヤードの玉に過ぎないのです。

https://music.apple.com/jp/album/%E3%82%89%E3%82%93%E3%81%A9/1720130386

 

「え!?絵が下手なのに漫画家に」施川ユウキ

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全1巻。オンノジや鬱ごはんの施川ユウキ先生のエッセイ漫画(?)。

 

描くことないなー的な編集さんとのやり取りから始まる本作であるが全体を通してその雰囲気は漂っている。それだけ聞くと印象が悪いかもしれないけど、その雰囲気がいいゆるさを生み出すと同時にいろいろな様相を生み出している。これは恋愛エッセイでもあり施川さんの歴史でもありなんとなくの思い出でもある。雑多な中からなんとなく雰囲気が伝わってくる作品で少々読みづらい部分もあるが個人の歴史に興味がある人は楽しめると思う。

気になる人物の活躍を集めたスクラップ帳のような。

オンノジ、ヨルとネル、銀河の死なない子供たちへなど名作を生み出した施川さんの雰囲気に触れることができる作品になってます。