kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「自然農を生きる」沖津一陽

自然農を生業として実践し成立させている沖津一陽さんの著作。具体的なメソッドではなく姿勢について述べられている。自給に限定したり経営については語られなかったりということが多い自然農において、生業としての自然農について語る珍しい本。ただのフォ…

「モテないのではないモテたくないのだ!!」カラスヤサトシ

エッセイ漫画家カラスヤサトシさんの半フィクションの作品。冴えない男子中学生の恋愛観についての作品。混沌とした恋愛の喧騒から一歩引いた生き方をしようとしつつ抗いきれず飲み込まれている教室における下層階級男子の思考をカラスヤサトシさんのテイス…

「実験」田中慎弥

田中慎弥さんの短編小説が3つ入った作品。小説を読むのはかなり久しぶりだったけどすごくよかった。 実験 メタ的な目線で人生を楽しむこともいいなと。内容で直接そういうことを描いているわけじゃないけどそう思った。日常の明るいけど暗い昼間の描写がす…

「できれば愛を」坂本慎太郎

CD

ex.ゆらゆら帝国の坂本慎太郎さんの新譜。ゆらゆら帝国後期からの流れを継いだ作品。ゆらゆら帝国解散後、坂本慎太郎さんの音源を聴いて大人っぽすぎて少し好みと違うなと感じていたけど近頃はやっぱりいいな、順当な進化だ、となる。ベースやリズム楽器の配…

「MASH」SALON MUSIC

CD

日本のシューゲイザーバンドSALON MUSICの音源。シューゲイザーと書いてみたけどもっと音楽性の幅は広いと思う。女性ボーカルの日本のマイブラみたいな感じもある。爽やかで少し懐かしい感じ。明るい日差しの中で聴くのすごくいい。音も幅広くていい。フレー…

「The End of Radio」Shellac

CD

アメリカのオルタナロックバンドShellacのアルバム。スタジオセッションの音源なのでしょうか、ライブ音源のようなテイストだけど音の分離がよくクリアに聴こえる。アルミネックのギャリギャリした音色とやぶれかぶれなボーカルが最高。割とストイックな楽曲…

「HENOSIS」joep beving

CD

ネオクラシカルのアーティスト、ユップ・ベヴィンのアルバム。すごくいい。アップライトピアノを中心に据え、様々な楽器を使ってわかりやすく素敵な楽曲をつむいでいる。メロディもキャッチーで音色もいい。あまりうまく言葉が出ないけど癒されたい時に聴く…

「 はじめての自然農で野菜づくり」川口由一

以前、こちらのブログで紹介した川口由一さん監修の「自然農」という本とほぼ同じ内容。以前紹介したものは完全版とついてるだけあって、こちらの本より詳しく自然農や川口さんについて知ることができる内容となっている。種まき期の一覧表がそちらにあった…

「堆肥の作り方・使い方」後藤逸男

堆肥の基本的な知識についての本。家庭菜園向けの堆肥についての本。堆肥の基本的な知識がのっている。終盤に緑肥の基本的な知識についても載っている。家庭菜園向けのメソッドはのってるけど農業のしてやるには規模感が少し違うかも。参考にはなります。 以…

「野菜の生育診断&回復ワザ」『やさい畑』菜園クラブ

図や写真などを用いて非常にわかりやすく野菜の状態異常とその対処法について教えてくれる本。とてもわかりやすいし、経験と照らし合わせてなるほどと思うことも多かった。回復ワザに関しては薬や肥料を使うことが前提なので自分のやり方とはマッチングしま…

「Facebookでお客様をどんどん増やす本」小谷川拳次

図書館で貸し出していたので読んでみた本。当たり前を思い出させてくれるのといいアイディアをくれるという点で読んでよかったと思った。 読んだだけで革新的な変化を起こすというよりは、基本的に当たり前のことが書いてあってそれを再確認させてくれるとい…

「机上と落日」kaetsu takahashi

CD

日本のギタリストkaetsu takahashiさんの音源。音がとにかくかっこいい。ギターとは思えない音なのだけどギターのもつ有機的な部分がすごく強く感じられる音。ギターを感じさせない音色であると同時にギターが得意とする人間が発していることを意識させられ…

「稼げる!新農業ビジネスの稼ぎ方」山下弘幸

農業参入に関するビジネスの本。具体的なメソッドというより農業をビジネスとして捉える姿勢についてが内容の中心になっているように感じた。内容はエキセントリックなものではなく常識的で安定感があるもの。生き方について深く考える段階より前の稼いで幸…

「Oceana」Ben Monder

CD

ニューヨークのジャズギタリストBen Monderのリード作。わたしのフェイバリットギタリストであるBen Monderの魅力がつまった一枚。以前からよく聴いていたけどこちらのブログでレビューしていなかったことに気付きました。リード作としては4枚目になるのかな…

「Deceiver」DIIV

CD

アメリカのシューゲイザーのバンドDIIVのサードアルバム。ドリームポップというカテゴライズもある。ちょっとグランジ感のあるシューゲイザー。王道シューゲイザーなサウンドデザイン、ハモリを多用したリバーブたっぷりのドリーミーなボーカル、影のあるグ…

「foresta」Tia Rungray

CD

日本のアンビエントアーティストTia Rungray氏のアルバム。根がしっかりしているエモーショナルなピアノが原音を損なわない美しいエフェクトで彩られた素晴らしい作品。ピアノという楽器が持つ感情的な部分を見事に活かし切っている。奇を衒うことなく、しっ…

「 劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕」湯山邦彦

ポケモンアニメ映画。小学生の時やっていた作品。ポケモンのデザインはポップで秀逸。かわいいので気分良く見られる。ポケモンが動いているのが好き。何個か見たけど初期ポケモン映画はすごくまとまってていい。第一作は衝撃のクオリティだけど、それに劣ら…

名探偵コナンドラマスペシャル「工藤新一の復活!黒の組織との対決」岡本浩一

漫画名探偵コナンの実写作品。これはすごい。出オチ、かと思いきや飽きのこない波状攻撃。なぜ見たのかわからないけど見てしまったえげつない作品。 まず、ジンという人物の登場シーン。学園祭のウィッグのような質感にみえる銀髪がやばすぎる。佐々木蔵之介…

「古風」冥丁

CD

日本のアンビエントアーティスト冥丁さんの新譜。日本の湿度を感じさせるエレクトロニカ。今まで聴いた怪談、夜分の二作品よりキャッチーな仕上がり。じっとり感はこれまでより控えめだけどしっかりした冥丁節を感じる。近代の感じから現代の感じに近づいた…

「星の王子さま」サン=テグジュペリ

フランスの作家サン=テグジュペリの作品。児童文学という形ではあるがかなり深みのある内容。そして非常にそれが伝わりやすい。わかりやすく気付きを与えてくれる。権力、酒、数字、仕事、虚栄心、そのようなものの虚しさを教えてくれると共に、世界に残され…

「PERFORMANCE IN NEW YORK: async」坂本龍一

現代音楽家坂本龍一さんのライブをフルでおさめた映画。同名のアルバムも素晴らしかったけどこちらも本当に素晴らしい。ここ数年見たライブ映像で一番テンション上がった。主旋律もすごくいいのだけど後ろでなってる音が兎に角素晴らしい。プリセット感のな…

「よくわかる農家の青色申告」全国農業会議所

青色申告に関する手引書。しっかりとした内容。紙で申告するためには必要不可欠かもしれない。ただ公的文書のような内容でこれを読めば青色申告について簡単に理解できるというものではない。実際作業する際のリファレンスとして使用するのが適しているよう…

「超速!最新日本近現代史の流れ」竹内泰睦

先日紹介した日本史の参考書の続編。大政奉還から現代(小泉内閣)まで。こちらもやはり面白い。現代に近づくに従って細かく複雑になっていくのは哲学史も同じ。段階を追って理解していくとわかりやすい。石原莞爾さんをかっこよく描いている等、人物のキャラ…

「と、ある日のすごくふしぎ」宮崎夏次系

全一巻。宮崎夏次系さんの短編集。とても短いSFショートストーリー集。なるほど、読み終わって、SFというのはすごくふしぎの略だったのか、と。サイエンスフィクションはすごくふしぎなもの。すごく短いので全体的にさらっとしているがテイストは宮崎夏次系…

「GRIS」nomada studio

アートに重きを置いた2Dアクション。パズルアクションというジャンルになるのかな。絵の美しさ、音楽の美しさはアートに重きを置いてるだけあって流石。水彩のような背景やキャラクターがとても美しい。幾何学的なデザインも美しい。個人的にはストライクな…

「 超速!最新日本史の流れ」竹内睦泰

受験生の時に読んでいた日本史の参考書。なんだけど普通に本として面白い!それぞれの出来事に物語を感じさせる文章になっている。口語体が使われているのも読みやすさに繋がっている。小説読めない人でも町田康作品なら読める、みたいに日本史嫌いな人でも…

「アダンの風」青葉市子

CD

シンガーソングライター青葉市子さんの新譜。新譜といっても少し前ですが。Suiseinoboazさんの3020と同様、リリースからしばらく聴いてました。このアルバム、とてもいいです!以前、青葉市子さんのアルバム数枚を評した時、すべて素晴らしいが作品ごとの違…

「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」ジェイソン・ウォリナー

カザフスタンのキャスターを装ったモキュメンタリーコメディの続編映画。相変わらずガン攻めのヤバさ。観る人を選ぶネタ。ガン攻めでヤバいけど異常さみたいなものや想像を超える系のヤバさとは違う感じ。想像できる路線で限界まで振り切った感じ。例えるな…

「3020」Suiseinoboaz

CD

Suiseinoboazの新しいアルバム。素晴らしい。前作をさらに深く掘り下げたような作品。ロックのもつ勢いや疾走感というものよりも熱く迸るような言葉に力を注いだ作品のように思われる。近年あまり聴くことがない血が通った言葉。死を見つめ生きることに向き…