kazki//okadaの備忘録

kazki//okadaの個人的な見解やレビューなどを垂れ流します。

「東大助手物語」中島義道

哲学博士、中島義道さんの東大助手時代を語るエッセイ。東大助手時代の過酷な日々、助教授の職を得るまでを綴っている。大学や研究職についての実際が中島さんの視点で記されている。人は主観を離れることはできないので、あくまで中島さんから見た世界かも…

「もしもし、運命の人ですか。」穂村弘

歌人穂村弘さんのエッセイ。テーマは恋愛。気の弱い優しいダメな人、みたいな雰囲気が最高に素敵。他の作品もそうですが、なんとなくへなへなパンクスのような印象がある。今回は恋愛がテーマでガツガツグイグイしてないとこがすごくいい。無駄な詮索、過剰…

「現代の哲学」木田元

現代の哲学、とはいっても初刷が1991年なのでかなり前の著作。ハイデガー、メルロ=ポンティ、フロイトとかそのあたりを大まかに解説している。人間存在、身体問題、言語と社会、構造主義、現象学、そのあたりが扱っている内容。 読んだ感想としては、自分は…

「歎異抄を読む」早島鏡正

浄土真宗の開祖、親鸞の思想を弟子である唯円が著した書「歎異抄」の解説書。原文も載っているのでありがたい。 この本を読み、これまで抱いていた浄土真宗の印象が変わった。これまでは、どんな人でも救ってもらえる、それに対して感謝の念仏を唱える宗派、…

「ぐうたら農法」西村和雄

草生栽培、不耕起栽培、低投与型有機栽培をバランスよく使った"ぐうたら農法"についての本。ぐうたら農法とあるが、農薬や化学肥料に頼った現代の農業より圧倒的に手間暇がかかる。これは楽をするための農法ではなく、自然と共生し安心安全な美味しい野菜を…

「無むムと感じる!西田幾多郎」大澤正人

for beginnersシリーズと題された西田幾多郎の思想の概説書。大まかに西田幾多郎の思想がまとめられている。のだが!難解!西田幾多郎の思想が難解であるがゆえ解説すらよく理解できない、少なくとも私の頭脳では!ダメ学生ながらも大学大学院において西田幾…

「ニームは地球を救う」稲葉眞澄

インド、ビルマ原産とされているミラクルツリー"ニーム"を紹介する著作。農業だけではなく、その他の分野での利用法や効能なども紹介している。 以下、箇条書きにてまとめ ・ニームという植物は250種以上の虫を防ぐといわれている ・殺虫、防虫、土壌改善、…

「エゴイスト入門」中島義道

哲学者中島義道先生のエッセイ。このエッセイも中島さんらしさがしっかりでている。こちらは一つのテーマについて書かれた著作というよりは哲学にも触れるエッセイという感じです。何本かしっかり哲学的な内容のものもありますが基本的にはエッセイ。ただ何…

「農業で1000万円稼ぐ法」堀口博行

兼業農家の方の農業参入本。今まで読んだ中では一番普通のことが書いてある。なかなか攻めたタイトルだが中身は割と堅実で現実的な気がする。これまで読んだ本とは逆に、従来型の農法、農協利用型の内容。農機具や農業用車両についてなど具体的な話もあって…

「農業講座」ルドルフ・シュタイナー

ルドルフ・シュタイナーの農業に関する講義をまとめた著者。人智学をベースにしたバイオダイナミック農法について語られている。一般的にいえば、オカルトに近い内容かもしれないが、いまのパラダイムにとらわれず考えれば一読の価値、試してみる価値はある…

「正直じゃいけん」町田康

町田康さんのエッセイ集。憂き世を常識や世間に捉われず、ありのまま町田節で描写するいつもの町田康さんのエッセイ、おそらく他の方の著作のあとがきであろう文章を集めたもの、大阪についてかたったこと、大きく分けてこの3つにわかれたエッセイ集。町田…

「死にカタログ」寄藤文平

死についてわかりやすくポップにまとめた本。イラストや図が多く非常に読みやすい。はじめ数ページ、著者は死の本質に迫ろうとするも、その重さ、深さにのまれ失敗。その結果、いろいろな死のデータや考え方を集めてまとめて提示する、という方法に切り替え…

「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」きたみりゅうじ

確定申告と節税について非常にわかりやすく読みやすい形でいろいろ教えてくれる本。多くのサイトでおすすめされているだけあります!非常にわかりやすく税金や法律に対しての抵抗感が減ります。この本の1番のいいところと言えるかもしれません。具体的なメソ…

「永遠平和のために」カント

ドイツの哲学者カントの著作。これをもとに国際連合が作られたというもの。人間は自然状態においては邪悪で戦争をするものだからルールによって矯正すべき、で、そのルールについての著作。非常に理知的で説得力のある文章であったが個人的にあまり興味が持…

「多品目少量栽培で成功できる!!」中村敏樹

多品目少量栽培農業の指南書的書物。狭い農地で多品目少量栽培でやっていくためのアイディアが詰まった本。割と具体的な内容にも触れている。栽培に関して細かく書いてあるわけではなく、原理的なところや土地の使い方、基本的な姿勢について書いてある。販…

「成功する農業」岩佐大輝

農業の起業本。帯にある文言も大袈裟ではないと思える。かなり丁寧でわかりやすく偏りのない内容となっている。はじめは就農したいと思っている人が感じている疑問質問に答える形で進んでいく。その後、就農へのステップを根っこのところから教えてくれてい…

「ひとを愛することができない」中島義道

哲学博士、中島義道氏の愛についてのエッセイ。エッセイというと若干の違和感があるほど論理的に構成されているが、思想書というとそれはそれで違和感がある。中島氏のエッセイは本作に限らず、そういった印象がある。本作もこれまでの作品同様、凝り固まっ…

「方法序説」デカルト

フランスの哲学者、デカルトの著作。我思うゆえに我あり、の文言が有名。この著作は思考の結果ではなく思考の経路を学ぶための名著。どういう考えに至ったかではなくどういう風に考えるかの参考になる。そして、これはただの哲学書ではなくノンフィクション…

「農で1200万円! ――「日本一小さい農家」が明かす「脱サラ農業」はじめの一歩」西田栄喜

以前紹介した西田栄喜さんの別の本。基本的には内容は同じですがこちらの方がより具体的かもしれません。前回同様内容は書きませんが小さい農業で生きていくための考え方が詰まっています。具体的な栽培方法というよりはベースにある考え方の紹介や体験談な…

「ぷちマンガでわかる量子力学」石川憲二

量子力学をわかりやすく解説した漫画のある本。哲学と物理学が非常に密接に関係していることを気付かされる。途中までは哲学領域の話のようであるが段々と数式などが絡んでくる。最終的には数式を理解していないと理解できない内容になる。大まかな歴史を知…

「小さい農業で稼ぐコツ」西田栄喜

家族経営で農業を生業にしている西田栄喜さんの著書。読んだ時にやりたいと思っている農業にすごく近いと感じた。また自分の理想にはなかったけどこれはいい!と思うこともたくさん書いてあった。少ない敷地、少ないリスクでやっていくためのアイディアが詰…

「絶望名人カフカの人生論」フランツ・カフカ 頭木弘樹編訳

「変身」で有名なフランツ・カフカの日記や手紙の言葉を紹介し解説する本。人生論というよりは名言集といった内容。哲学的な人生論を期待すると肩透かしを食らうかもしれません。哲学的な内容ではありませんが紹介されている言葉は価値があるものです。ノン…

「臨済録」慧然 (入矢義高訳注)

臨済宗の祖、臨済の言葉や行いを弟子の慧然が書き記したとされる書。非常に難解。衆示の項目はなんとなくわかることもあるが、だいたいがよくわからんなーとなる。しかも、笑ってしまうような話が多い。教科書等で持っていた印象と違い臨済はかなり荒々しい…

「醜い日本の私」中島義道

哲学博士中島義道氏の著作。日本の景観に始まり日本の多数派の感受性についてなど述べた新書。この本を読んで一番感じたことは、自分は自分を俯瞰するのは大変難しい、ということです。 自分も気付かぬうちに定型的日本人になっている、ということに気が付き…

「哲学入門」三木清

西田幾多郎の流れを汲む哲学者、三木清の著作。一般の哲学に興味がある人が入門書として読むには適さない。哲学といえど学問である以上、基礎知識や訓練が必要である、という著者の考えが出ている。このタイトルは現代の日本においては哲学を難解なものとし…